sleep | ナノ

中途半端に着崩された服の上から、峯の両手がなまえを抱きしめる。
放り投げられた峯のジャケットはソファに投げ置かれ、スラックスはすとんと足首の辺りにくちゃくちゃのまま落ちていた。
釦の全て外されたシャツからは引き締まった上半身が露になり、袖を通しただけと成り果てたそのシャツは汗のせいで峯の背中にじっとりと張り付いている。
峯のデスクに手を付いているなまえも峯に負けず劣らずの格好で、片足を抜いた状態の下着が左の足首に引っかかっていた。
肌蹴た上半身には、止め具が外されたことで解放された柔らかな双丘の形の良いラインが峯の動きに合せて弾む。
腰を突き出し、背後から膣壁を突き上げる峯を受け入れ、なまえは足だけでは支えられない身体を峯のデスクに手を付く事で支えていた。


「なまえ…、いつもより…感じてるのか、っ…?」
「っ、峯さん…」
「俺に黙って、もう二度も達したでしょう…?」


許せませんね…。
からかうように囁く峯の声に、なまえはデスクに付いた右手をぎゅっと握り締めた。
ベッドのない、性行為に耽るには不向きとしか言いようのない場所での行為というだけでも身体が過敏になっているというのに、その状況を楽しんでいる峯のいつも以上に意地の悪い言葉が尚もなまえを蝕むのだ。
ねちゃねちゃとした卑猥な音と荒い息遣いの中、この事務所には他に誰も居ないと判っていても、なまえは声を殺す事に必死であった。
なまえを包むように抱きしめながら絶え間なく腰を打ち付ける峯の攻めに耐え切れずなまえが唇を噛むと、耳元に峯の吐息が笑った気配を感じた。


「噛むな…傷になる」
「っあ…、ん…っ、」
「もっと鳴けば良い……、俺しか居ないんだ」


ほら。
囁きながら峯の右手がするりとなまえの頬を撫でたかと思うと、骨ばった人差し指が唇を割ってなまえの咥内へと侵入する。
いつも深い口づけをする時に峯が舌でするように、差し込まれた指先がなまえの舌を絡め取るようにして口の中を掻き回した。
割り開かれた唇からはこれまで堪えていた蜜声が否が応にも溢れ出し、なまえは峯を求めるように舌先をその指先に絡めずには居られなかった。
時々緩く歯を立てたり、強く吸い上げたりしながら峯の指をしゃぶるうちに、その様を後ろから堪能していた峯からも熱い吐息が漏れ始める。
すっかり濡れそぼった人差し指をなまえの咥内から引き抜くと、その指はそのままなまえの蜜壷の突起へと伸ばされた。


「っ、や……っい…、っ…」
「今のでまた、達したのか…?急にまた…っ、中が締まったな…」
「ダメ、っ…や、っ…」


大きく何度も跳ね上がるなまえの身体をしっかりと抱きとめながら、峯の指は細かな動きで肉芽を擦りあげる。
その蕾に触れれば触れるほど強く激しく己を締め付ける内壁に構わず幾度も杭を打ち込み続けると、余程刺激が強いのかなまえは峯の手首を掴んで其処から引き離そうと峯の腕の中で身を捩った。
すっかり声を抑えるという行動を止めてしまったなまえの蕾をそのまま容赦なく転がし続けながら、峯は目の前の赤く染まったなまえの耳に貪りつく。
舌を這わせ、甘噛みしながらなまえの中に暴発しそうな雄を捩じ込み続けるうちに、いつしか峯の唇からも切なげな呻き声が漏れ始めた。


「なまえ…っ、」
「や…っ、だ……も、っ…」
「…中に…っ、出しますよ…」


スパートを掛けるように一層強くなまえの身体を抱きしめると、峯のピストンはどんどんと速度を上げた。
窮屈に締まる肉壁を押し分けるように雄を突き進めては引き抜き、峯はなまえの耳元で何度も彼女の名を呼びながら攻めの手を緩めなかった。
なまえが達してもなお上り詰める身体を抑えられない峯は、溢れる蜜を掻き分けるように蜜壷を攻め立てながらぐっと奥歯を噛み締める。
っは…、と吐息を吐き出すと同時に爆ぜた雄を最後は緩やかな動きに変えると、峯は精液を放つのに合せて二、三度なまえの最奥を突き上げた。
ぐらりと力の抜けたなまえの身体が己のデスクの上に折り重なる様を見下ろしながら、峯は弾む息を整え始める。


「これで…、」
「っ、え…?」
「これで何時でも、ここに居る間は貴女を強く思い出せる…。…逢えない時でも」
「峯、さ…っ、」


泣き出しそうなほど困惑した表情を浮かべて振り向くなまえに重なるように身体を寄せると、峯は嬉しそうな笑みを浮かべてそっと唇を奪った。
なまえの中に熱を埋めたまま、峯は幾度もその唇を堪能するのだった。



愛を覚えた一室で
(いつでもあなたを思い出せる)


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