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やっとのことで忠勝の指二本を飲み込めるようになった狭い膣壁にいよいよ忠勝の雄が侵入を始めると、やはりこれまで以上の異物感になまえは痛みを覚えた。
じっくりと時間をかけて慣らされた其処は、忠勝のおかげですっかり濡れそぼっているものの、忠勝の其れを半分ほど咥え込んだあたりであまりにも苦しい圧迫感になまえの表情は険しいものに変わる。


「なまえ…力を抜けるか?」
「…っ、」


苦しそうに顔を歪めたままでなまえが忠勝に視線を投げかけると、それだけで察しの良い忠勝はなまえの言いたい事を察し、優しい笑顔を向けながらなまえの火照った頬を撫でてやった。
本当ならばすぐにでもなまえの中に己の欲を突き立ててやりたいくらいはち切れんばかりに反り立った其れを、忠勝はそれでも急激になまえの中に押し込もうとはしなかった。
なまえの頬に触れた反対の手で小さな蜜壷の肉芽を転がしてやると、僅かになまえの声には快楽の色が混じりだす。
その隙に忠勝は少しずつ少しずつなまえの中に楔を押し込み、相当時間をかけてその熱くなった蜜壷に収まっていった。
すんなりと、とまでは行かなかったものの、できる限り痛みを軽減させてやろうという忠勝の気遣いを受けながら忠勝の全てを受け入れた時、思わずなまえは涙を流した。


「なまえ…痛かったか?」
「違います、ただ…っ、」


とても嬉しくて。
気恥ずかしそうに、それでも心から嬉しそうに頬を染めて囁いたなまえに、忠勝は一瞬大きく目を見開くと、柔らかな笑みをなまえに見せた。
なまえへと伸ばされた大きな掌がそっと頬を撫で、先ほど伝った涙を拭ってゆく。
その忠勝の手になまえが己の手を重ねると、愛おしそうになまえを見つめていた忠勝にそっと唇を塞がれた。


「なまえ…」
「っ…」


名を呼ばれると同時に緩々と動き始めた忠勝の雄に、なまえの眉間にはぐっと力が入る。
息苦しいほどの圧迫感に堪らず力強く忠勝の手を握り締めるなまえの目には、同じように苦しげに眉根をひそめた忠勝の表情が映った。


「なまえ、辛いか?」
「忠…勝様、っ」
「済まぬ…もう、止めてやれそうにない」


言葉で伝える代わりに頭を振って忠勝に応えると、なまえの身体を包み込むように忠勝の身体が重なった。
忠勝が動くたびに響く卑猥な水音に羞恥心を覚えながらも、徐々に感じる圧迫感以外の感覚になまえの身体は己の意思とは無関係に熱を帯びてゆく。
口を開けば漏れる痛み混じりの声ですらもまるで自分が自分ではないような感覚を呼び覚まし、なまえは縋るように忠勝の背中に両腕を回した。


「忠勝様、っも…」
「…どうした?」
「身体…熱くて、っ」
「嗚呼、俺もだ…」


段々と薄れてゆく痛みに代わって、これまで体感した事のない感覚がなまえの全身を駆け巡る。
先ほどまでとは違い、漏れる声にも既に痛みを堪えるようなものではなくなっていた。
なまえの縋る忠勝の背中にもじわりと汗が滲み始め、なまえは自分と忠勝が同様の状況にあることに嬉しさを覚えた。


「忠…勝様、」
「なまえ、そのまま…何も怖がらなくて良い」
「っん…」


びくりと身体が跳ねると同時に、なまえの膣壁は忠勝を包み込んだままで収縮を繰り返す。
なまえが達したのを感じ取った忠勝は、その脈動する膣圧を感じながらぴたりと律動を止める。
乱れたなまえの震える吐息が整わぬうちに、忠勝は慈しむようになまえの頬を包み込むと、そのまま唇を重ねた。


「なまえ、もう痛みはないか?」
「はい、っでも…まだ、緊張して…」
「そうか…ならばなまえが慣れるまで、今暫くこのままで居よう」


俺もまだ、お前を抱き足らん…。
囁かれた低音の声に胸が締め付けられているうちに、再び忠勝の雄がゆっくりとなまえの中を出入りし始める。
今度は先ほど以上に快楽がなまえを襲い、少し突き上げられただけで頭の芯が痺れてしまうほどだった。
離れてしまわぬように忠勝を強く抱きしめると、なまえは忠勝の首筋に顔を埋めて快楽の波に酔いしれるのだった。


Love & Pain
(この身の全てを捧ぐ)


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