ぽん、ぽん、とまるで鼓動の音に合わせるように、元就の手がなまえの背中を優しく打つ。
赤子相手にするような行為に、不満がないわけではない。
だが、それが元就の自分なりの自衛なのだと言うことを、なまえは何となく悟っていた。
「元就様」
「ん…?なんだい?」
「…いえ、何でもありません」
布団を目元まで被ってしまうと、なまえはごろりと寝返りを打った。
一瞬元就の驚いたような顔が見えた気がしたが、それでもなまえは元就に背を向ける。
本当はもっと触れて欲しいだなんて、はしたなくて言えないのだ。
それでもあんな赤子のように扱われているのは耐えられない。まだまだ子供だと言われたようで、傷ついたのも事実だった。
「なまえ」
「……」
「なまえ、私に背を向けないで」
元就の両腕がなまえを捉えた瞬間に、なまえは背中に熱を感じた。
抱きしめられ、元就と密着した背中がとても熱い。
それでも素知らぬ顔をして無反応を決め込むなまえに、耐えかねて元就は行為をエスカレートさせてゆく。
「私がどんな思いで耐えていたか、なまえは知っているくせに…」
「…っ、ん」
「知らないよ…?もう、止めてあげられない」
首筋に落とされた口づけに反応している間に、なまえの腰帯が容赦なく解かれる。
慌てて元就の手を押さえようにも、夜着の袷を割って侵入した元就の指先はなまえの腹をなぞり上げながら柔らかな膨らみを揉みしだく。
「や…っ、」
「なまえは嘘吐きだね…私のことを物欲しそうに見ていただろう?」
やっぱり今日は寝かせてあげない。
なまえの耳を食みながら、元就はなまえの胸に立ちはじめてきた其れを指で弾くように転がした。
ひくりと震える身体を愛おしげに抱きしめる腕に縋りながら、なまえはゆっくりと元就へと振り返るのだった。
Lie Down With You(添い寝シリーズVol.10)