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拓郎くん、髪が長いね。
ボサボサのままの状態でアイスを頬張る拓郎の髪に、なまえの指がするりと滑る。
その心地よさにくすくすと笑いがこみ上げる拓郎を余所に、なまえの指は乱れた髪を撫で続ける。

「なまえ、こそばゆか!もうやめんね」
「あ、ごめんね」


拓郎くんの髪、私より長いから羨ましくて。
にこりと微笑みかけながら拓郎の髪から離れて行こうとするなまえの手を、拓郎はぱしっと掴みとめる。
棒付きアイスを咥えたままでじっとなまえを見つめてみれば、きょとんとしたなまえの瞳に見つめ返された。


「なまえ、やっぱりもっと触らんね」
「拓郎くん…?」
「こそばゆかったばってん止めたけど、なまえに撫でられると気持ちよかったい」


キシシ、と照れたように笑う拓郎が愛しくて、なまえの指は自然とパサパサした拓郎の髪を撫で始めていた。
時々身体をぶらぶらさせながら振り向いて笑ってくれるだけで、温かな気持ちになる。


「ホイ、コレで俺の髪ば結わんね」
「…イイの?」
「よかよか!カッコよくしてくれんね」


今度から俺の髪はなまえに結ってもらうけん!
シャクシャクと音を立ててアイスを頬張りながら見せる笑顔に、なまえも嬉しそうにこくりと頷くと、手渡されたヘアゴムをきゅっと握りしめた。



触って、変わって
(もっと虜にさせてあげる)



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