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「コレっきりにするて!ホンマ、約束する!」


せやから頼む、一生のお願いや、と何度も何度も頭を下げられ、渋々受け取ったそれは、ざっくりと大きくスリットの入ったチャイナ服だった。
なんでこんなものを持っているのかと尋ねたら、浜崎が寄越したんやとニヤニヤ顔の真島が何故か嬉しそうに答えた。
適当に髪をひとつに結い上げて、真島をリビングに置きっぱなしに部屋を出ると、半ば溜息交じりになまえは脱衣所で受け取ったそれに着替えた。
見れば見るほど恥かしいのは、ただ立っているだけなのに左足の太腿が丸出しになってしまうからである。


「もう…こんな恥かしいかっこ…」


やだなぁ。
そうは思っても、あれだけ必死にお願いされては無碍にも出来ず。
なにより、真島が喜んでくれるならいいか、という気にもなってしまうところが単純である。
ふぅ、と一息つくと、なまえは静かにそろりと脱衣所のドアを開けた。


「お!やっぱり思ったとおり、無ッ茶似合うてるでなまえチャン!」
「真島さん…!リビングで待ってて、って…」
「そんなん待ち切れんわ。もっと良ォ見してみ」


身体がぐっと押し込まれたのは、先ほどまで着替えていた脱衣所だった。
鏡の前に強制的に立たされたなまえは、背後から己の身体を抱きしめる真島に為す術もない。
されるがままの状態に甘んじていると、なまえの細い腰に回された真島の左手が、スリットで露になったなまえの左腿に伸ばされた。


「っ、真島さん」
「スマンけど…堪らんようになってもうたわ」


なまえの腰に押し付けられた真島のそれが硬くなっているのを感じ、なまえはびくりと身体を震わせる。
足の付け根まで露になるのはどんなに体制を変えても同じで、太腿から秘所へと真島の指が走るのにもなまえは抵抗し切れなかった。


「見てみ。今のなまえ、ホンマに厭らしい顔しとるから」
「や…っ」
「可愛ェな、なまえは…もう濡らしてもうたん?」


下着越しに触れられる秘部への刺激に耐え切れずにぎゅっと目を閉じるも、耳元には楽しげに笑う真島の声が響く。
恥かしがりやな、と。
優しく囁かれた声に首だけで振り向けば、なまえの唇はあっと言う間に真島の唇に塞がれた。


「今日はココでしよか?」
「や、だ…恥かしい…っ、」
「エエやろ?ちゃぁんと自分がどないに抱かれとるか見とき」


ほら、と振り向いていた顔が再び正面の鏡へと向けられると、鏡越しの真島が口角を吊り上げてなまえに笑いかける。

一緒に気持ち良ォなろうな、と笑顔で囁く真島に、なまえはくらりと甘い目眩を覚えるのだった。



metamorphosis
(いつもとは違う君を見せて)



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