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「ねーちゃん、差し入れいつもサンキューばい!」


嬉しそうにスポーツドリンクをゴクゴクと音を立てて飲みながら、拓郎が笑顔を向ける。
その笑顔が見たくて、いつもいつも拓郎に差し入れを持って来ているということを、彼は知っているだろうか。
なまえは笑顔でどういたしまして、と告げると、拓郎のボトルにドリンクを注いでやった。


「お、食いもんの匂いがするばい」
「うん、ハチミツレモンも持ってきてみたんだけど…」
「なんね、そぎゃんこつ早く言わんね」


満面の笑みを浮かべる拓郎に、思わずぐっと言葉が詰まる。
いつも自由奔放な拓郎が、なまえの傍でこうして喜んでくれるのが嬉しくて仕方がない。
でも、結局その笑顔の元はなまえではなくて、なまえの持ってくる差し入れが作っているのだろう。
そう思うと、嬉しいはずの拓郎の笑顔を見るのがなんだか少し寂しくなった。
保冷バックを抱えたままで固まるなまえに不穏な空気を感じたのか、どぎゃんしたね、と拓郎がなまえの顔を覗き込んだ。


「ねーちゃん、急に元気なかね…」
「もしかしたら拓郎くんへの差し入れ、私じゃなくてもいいのかなって…」


そう思ったらちょっと、寂しくなって。
覇気のない声でポツリと漏らすなまえに、拓郎はぷぅと膨れた顔を見せてぱちんとなまえの頬を両手で挟んだ。


「そぎゃんこつなか!俺、なまえに逢えるのが楽しみやけん!」
「拓郎、くん…」
「なまえが持って来てくれるから、差し入れがうまかばってん」


なまえがこんのやったら差し入れもいらん!だから早くその中身ば出さんね!
いつの間にか消えた膨れっ面の代わりに、拓郎の顔にはいつもの笑顔が輝いていた。
あーんしてくれんね、なんておどけてみせる姿が嬉しくて、なまえの気持ちも簡単に晴れ渡ってしまった。



「心配なかけんね!俺どま、なまえが一番好きやけん!」






give me smile and shine days.
(君の笑顔が心を晴れ渡らせてくれる)

▼磯野拓郎(SB)

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