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「うぬが我を欲したのではないのか?」


あまりにも自然に胸元を肌蹴させられ、心の準備が整って居なかったなまえは慌てて夜着を引き寄せた。
風魔を怒らせてしまっただろうかという不安はあったものの、やはりまだ全てを晒す勇気はない。
触れて欲しい気持ちとの間で揺れ動くなまえを知ってか知らずか、風魔はにやりと口角を吊り上げてなまえを見下ろした。


「やれやれ、手の掛かることだ…」
「すみません…」
「クク、構わぬ」


我も性急過ぎたようだ。
優しさを含ませた低音で囁く風魔に、なまえの緊張も少しずつ解れ始める。
既に布団へと押し倒されていたなまえは、普段よりも優しそうに微笑む風魔に見惚れながら、頬に添えられた大きな掌に寄りかかった。
頬をなぞり、唇をなぞる風魔の長い指先がそっと咥内へと押し入る。
開かされた唇からは吐息が震え落ち、その様を楽しげに見つめる風魔は緩々となまえの咥内をかき回し始めた。


「うぬの舌は熱いな」
「…っ、ん」


するりと咥内から指先が抜き取られると、風魔の其れはなまえの唾液で濡れていた。
その指先を見せ付けるように風魔がぱくりと己の口に含む様に、なまえは赤面して顔を背ける。
だが、その間に風魔は露になったなまえの首筋へと唇を寄せ、痕が残らぬ程度に音を立てて吸い上げた。


「なまえ、うぬがこのまま無抵抗なら…いよいよ止めてやれぬようになるぞ」
「小太、郎…様っ」


先ほどまでの羞恥心はどこへやら。
気づけばなまえの手は自然と風魔の身体に縋るように絡み付いていた。
風魔の触れる全ての箇所が心地よく、今や行為を止めてほしくないとまで望むほどである。
言葉にはせずとも、見つめ合った風魔には気持ちが通じていたのだろうか。
口の端を持ち上げたままで、風魔の顔がぐっと傍に近づく。


「もう、待ってはやらぬ」


柔らかな唇の感触を堪能する間もなく、なまえの唇を割って風魔の舌先が絡みついた。
風魔の指先が夜着を乱していくことにも気づかぬまま、なまえは強く風魔を抱きしめるのだった。


virgin night



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