sleep | ナノ

「なんやなまえチャン、おねむさんかいな」
「ん…」


ソファに膝を抱えて座っていたなまえが、うとうとしながら身体を横たえ始める。
その様子に気付いた真島が声を掛けたは良いが、なまえの瞳はすっかり閉ざされてしまった。
ふっくらと柔らかそうななまえの頬に指先で触れてみると、寝ぼけ半分の甘い吐息が真島の耳を擽った。


「夜更かしはお肌の敵やで。はよベッドに行き」
「…や、」
「嫌て…ワガママチャンやなぁ」


そんなところも可愛ぇんやけど。
ふにふにとなまえの頬をつつきながら口元を緩めていると、なまえの手が真島の指を捕まえた。
眠くて眠くて仕方ないのだろう。それでも重い瞼を押し上げて真島を見つめる様が、なんとも言えず色っぽい。
思わずごくりと生唾を飲み込んで固まる真島を余所に、なまえは潤んだ瞳を真島へと向けた。


「真島さん、」
「なんや…?」
「真島さんが眠るまで、一緒に起きてる…」
「な、なんでや…」


一緒がいいの。だから、起きてるの。
むにゃむにゃと後半は何を言っているのか聞き取れなかったのだが、赤子のように己の指先を掴んで離さないなまえに、否が応にもきゅんときてしまう。
くぅーっ!と身悶えしながら雄たけびを上げる真島は、にやにやしながらなまえの頬へと口付けを落とした。


「なんやねんホンマ…滅ッ茶可愛ェやんかなまえチャン!ほんならもう寝よ寝よ…て、もう寝とるやんけ」


浮かれる真島のことなど露知らず、言うだけ言ったなまえは既に限界を超えて夢の中へと旅立っていた。
すやすやと寝息を立ててソファに縮こまる姿があまりに愛らしく、真島は緩んだ頬をそのままにじっとなまえを見つめた。
俺も寝るか。
優しい声音で囁くと、真島はそっとなまえの身体を抱き上げた。




Dear my sleeping beauty
(君の隣で眠らせて)


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