sleep | ナノ

唇が重なり合う音と、身体を熱くさせる吐息、擦れ合う衣の音だけが部屋を満たしてゆく。
何度か唇を重ねては、互いに見つめ合い、うっとりとした視線に中てられては再び口付けを落とす。
布団の上へと押し倒したなまえの姿は実に綺麗で、元就は己を急かす心を静めるだけで精一杯だった。


「なまえ…君は本当に綺麗だ……」
「元就、様」
「こんな気持ちは初めてだ…触れるのがもったいないと思うなんて」


元就の欲を昂ぶらせるのは、薄手の夜着から伝うなまえの体温だけで十分すぎるほどである。
見つめ合い、口付けを交わしているだけで、頭の芯から蕩けてゆくような昂ぶりを覚えた。
柔らかななまえの頬に手を添えて見つめているだけで、至福だと感じる。


「なまえ、私に教えてくれないかな?なまえがどうして欲しいのか」
「私、今のままで十分すぎるくらい幸せです」
「それは私も同じだよ。でも…」


指の背で柔らかな膨らみの輪郭をなぞってみると、なまえの身体がぴくりと跳ねる。
その様子を確かに目に焼き付けながら、元就の視線が再びなまえの視線と重なり合う。


「どんな風に触れられたい?なまえのどこをどんな風に触れたら、君はもっと気持ちよくなってくれる?」
「そん、な…」
「嗚呼…そんな風に顔を背けないで」


照れくさそうに頬を染めたなまえが元就から視線を外すと、それを許さぬ元就の指先がなまえの顎を掬った。
再度重ねられた視線から逃れる術を見つけられず、なまえが気恥ずかしそうに瞳を閉ざす。
瞼の裏でふわりと元就が微笑む気配を感じながらそっと目を開けてみると、元就の唇が吐息交じりに耳元に触れた。


「なまえ、教えてくれないのかい?」
「っん…」
「耳…感じるのかな?…じゃあ、こっちは?」


優しい声で囁きながら、元就の指先が内腿を這い上がる。
耐え切れずに嬌声を漏らすなまえを嬉しそうに見つめながら、元就の唇は段々と首筋を下ってゆく。


「なまえは、肌まで甘いんだね」


囁きかける元就の肩を押し返そうとするも、彼は微動だにせず。
ただ元就の与える刺激に声を震わせながら、なまえは初めての行為の始まりに身体を熱くさせた。



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