よっかめ [ 5/6 ]
「名無しはいいわよね」
「なにが?」
「イケメンの彼氏がいてさー、いいわよねぇ」
「そうかなー。我愛羅イケメンかなぁ」
「あれがイケメンじゃなかったら何なのよ」
「我愛羅」
「バカ言うんじゃないわよ」
同僚からケータイの待ち受けを見られ、イケメン可愛いどうやって捕まえたと根ほり葉ほりされ私の回答が適当になっているところである。我愛羅はたしかにかっこいいがそれなりに私も苦労をしているところがある。この会社だって女子の数が圧倒的に多いことや定時の時間に終わるよう残業があまりなかったり土日休みだったりとか我愛羅がほとんど決めたようなものである。まぁ条件もあまり厳しくないからいいのだが遊ぶ時間さえも拘束されてしまってギスギスしとるんですよ。えぇ?イケメンならいいんかいと言いたいですなまったく。
「顔で決めたら後悔しますよ」
「あんたはどうなのよ」
そんなこと聞きたくないわとばかりに嫌みったらしく言ってくる同僚に
「私の場合は好かれてしまわれたんで仕方ないです。保護しただけです」
と我愛羅は自然保護動物ですよと言いました。
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