ポインセチアは甘くない | ナノ


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彼氏が出来ました。ナマエは携帯を弄っていたオレにそれはもう嬉しそうに報告してきた。
別れてからまだ2週間も経ってないが、またいつものようにナマエの容姿や器量に引っかかった男だろう。
最近分かったことなんだがナマエは頭がいい故にド直球の愛の言葉に弱いようで。
散々のろけられてオレは頭を抱えながら言った。

今度はどこの男なんだ。
何度もしたやり取りにもはや嫌味とも感じなくなっていたナマエは「同じ講義受けている高沢さん」と少し頬を染めた。
ナマエと同じ講義を受けている人間ならまあ頭は良いだろう。
頭脳というコンプレックスで別れるときにナマエにひどい言葉を掛ける要素が一つ減ったのは喜ばしいことだ。
だが、俺は基本ナマエと鬼鮫くらいしか行動を共にしていないから同じ講義を受ける高沢と言われてもピンとこない。
写メを見せてもらったら2人仲良く携帯の画面に収まる自撮りを見せつけてきた。ああこいつか、話したことがあった。
ナマエの隣にいるオレにちょっかいを出すこともなく普通に接してきた男だった。

「まあ、その…なんだ。がんばれよ」
「ひどーい、今度は絶対長続きするよ」
根拠はイタチがやめとけって言わなかったことね。口を尖らせ軽くオレの嫌味を往なす。
携帯の待ち受けを見てはにかんだナマエに腹の奥で黒いものが渦巻いたが、お前が幸せならそれでいいとナマエの頭を撫でた。



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