▼ ドラマチックに馬鹿騒ぎ
「でーだらなにそれ」
「デイダラだっつってんだろ」
久々の休日を貰い創作活動にいそしんでいたらいつの間にかヤスデがオイラの自室に入って来ていた。
ノックしなくていいからせめて足音くらいはさせろよ、うん。
あと結構な日数一緒にいるんだから見てわかってほしい。
起爆粘土だっていえば分ってるよそんなことと返される、何なんだこいつは。
「はにわ?可愛いね」
「何なのお前、一緒に捏ねてやろうか?」
「それ最後爆発させるから嫌」
そうだったコイツずれてるんだ。
褒めてるつもりなんだろうけどこっちはものすごく馬鹿にされた気分だ。
怒りを含ませ目を細めれば「肌焼けちゃうし」なんてむっと唇を尖らせる。怒ってるのはオイラだよ。
「私もでーだらみたいな可愛いの作りたい」
「……喋らねーんだったら少し分けてやるよ、あとデイダラな」
この空気読めなくて感性がズレてるところが無ければオイラによく懐く可愛い妹分みたいなものだ。
可愛いは気にくわないけどそれがコイツの褒め言葉だ、もう慣れた。
ヤスデはわかったと首を振って、分けてやった粘土をねちょねちょ卑猥な音を鳴らして捏ねだした。
そんなに水付けたら崩れるぞ、うん……。
自分の方がひと段落ついたので顔をあげて隣で真似をしているはずのヤスデに少しは教えてやろうかと目を向けた。
取り返しのつかないことになってるだろうなと苦笑いの準備をしていたが、状況は思っていたのとは違う方向に進んでいた。
「ヤスデ、粘土何処やったんだ、うん……」
「分解されちゃった……」
アートを作るため、先にチャクラを練りこんでおいたのが悪かったようだ。
能力くらい止めておけと頭をひっぱたいといた。
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