短編 | ナノ


▼ 非日常の中の日常



デイダラが今後も長く過ごすことになるこの非日常な日常にて、自分の事を“先輩”と呼ぶ暁メンバーは最終的に二人に増えるのだがそれはもう少し先の話だ。
今日も今日とてデイダラは暁のアジト内に与えられている自室に籠り新作を捏ね上げていた。
前回の爆弾は時限性にした。破壊力は大きかったのでそれなりに満足はできたがやはり半分以上が素早い忍たちによって対処されてしまっていた。
だから今回のモチーフはあえてメンバーであるナマエにした。そう、数で押す爆弾である。流石にナノとかピコの世界にまで突入した作品を作ることはできないからそこは要相談で。
一人ぶつぶつと粘土とノートを前に頭を悩ませていれば甘い香りがドアの向こうから漂ってきた。
コンと軽い音をさせ、返事をする前に開いたドアからやってきたのは作り立ての焼き菓子を箱に詰めたものを掲げているナマエと、その後ろに何故かドヤ顔で続いたサソリであった。
先日ナマエの中で何かが変わったのかサソリの旦那に対するあたりが目に見えて弱くなったナマエは後ろに点滴(だった人形)がいようとも嫌な顔一つすることはなかった。

「デイダラ先輩!おやつですよ!そろそろ休憩しようよ」
「待ってたぜナマエ!うん、旦那は巣へ帰っていいぜ」
「おいおいおい、こいつを買ってきたのは 俺 と ナマエ だぜ?」
当然差し入れを届けてやるのも“二人で”だよな?
そう自慢したいらしい旦那が自分より小さな身長で得意満面のつらを引っ提げて言う。
流石に年上だろうが引っ叩きたくなる面を見ないようにナマエにだけお礼を言い早速食べようぜと箱を広げるが、スルーされたにもかかわらず有頂天な旦那はノーダメージなのが悔しい。
当たり前のようにオイラのベッドに腰を下ろすと隣に配置してある机の上に放置されたノートを手にした。
方向性の違いはあるものの互いに理解しあってはいるから見たところでうるさく言われないしと旦那を放置し妹分のナマエにまず好きなものを選ばせてやる。
レディファーストされたナマエは素直に喜ぶと、実は一番食べたかったらしいチョコのかかったドーナツを手にした。
幸せそうに一口目を頬張ったナマエと同じ物を手にし、デイダラは頭に糖分を補給するため妹分より少し大きめにドーナツを頬張ったのだった。


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