宝石とさよなら | ナノ


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「見事な依存っぷりでしたね」

饒舌とまではいかなかったが、いつも必要最低限以下の会話しかしなくて、さらに戦闘でもその術の特性故あまり動くことのない5代目風影こと我愛羅の様子にサクラは唖然としていた。
ドアは壊すわベッドに飛び込むわあげくタックルをかまして満面の笑みである。
いくら中忍試験時より丸くなったとはいえ別人なんじゃないかと疑ったほどだった。
師匠である綱手はニヤニヤしてるから本当にあの我愛羅なのだろう。




キバたちに捕捉されたナマエがどの国の通行証も持っておらず、とりあえずと木の葉の尋問用の部屋に運ばれ、聞きだした名前に「ほほう」なんて漏らしたから綱手様はナマエという存在を知っていたようだ。
野次馬しに行った綱手様を回収しに部屋に入ればバチンと爪がはがされた音が鼓膜に響いた。
忍となり人を傷つけてきても、やはりこの音には慣れない。
チャクラを感じない女性は確かにはがされたはずなのにどぷりと溢れた血を見てうわあ…と他人事のように声をあげただけだった。
顔を見合わせる拷問班、ナマエの手を持つイビキも固まっていた。
「い、痛くないのか」
「じんじんはしてますね」
指先が熱いですと一切顔を歪めずにひょうひょうと言いのけたナマエ、しばらく眉を顰めていた綱手が中止だとイビキを呼んだ。

「我愛羅を呼び出してくる、医療班に爪の再生をさせて、例の物を付けて個室に入れとけ」
「は、はいわかりました」
「あと今メモとってたヤツは女だったな。サクラと一緒に個室で聞き出しといてくれ」
気になることがあるんでなと一人早々に尋問部屋から出て行った。
手に持ってる書類を綱手に渡すのを忘れたが、すでに去った後だったため、仕方なく「今あいてる個室は……」と増えた仕事へと頭を切り替えた。




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