宝石とさよなら | ナノ


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複製の能力は私の魂の方にしばりつけてある。自分が帰ってしまえばキンコウさんの身体を残しても何の意味もないのだ。
安全なところで静かに普通の生活を送りたい。そう考えてしまうのは毎度のことだが我愛羅君はきっと泣いてしまうから。
こんな強制イベントのような別れではなく、せめて互いが互いに了承しあった上でさよならを言いたかった。

「フン、化け物ね。悲観しているのか?自分の境遇を」
「それはないよ、何度も言うけど今の私は役に立てるなら重畳としか思ってない」
ただ人間と呼べる存在なのかわからないからそう称しただけだと他人から見れば自虐染みた名で呼ぶナマエを数秒見つめ、わかった、そのように報告しておくと頷いた。
「一度は引いたが再度マダラの奇襲があるやもしれん、帰らんならそれ相応の守りを固めるべきだ」
見回りも現状でいっぱいいっぱいだ、どうする?とテッカンに問うが彼からの返事は帰って来ず。
そういえば目と耳をふさいでいたなとテッカンの毛深く太い腕を引き「おい」と声をかけた。
「終わったぞ、ここからはお前も話に加われ」
「シュデンだけでどうにかならんか?至極面倒なんだが」
「仕事だ馬鹿、警備は私たちが受け持つってチクマと決めただろ」
「まあそうなんだけど……、オレよりサソリの方が強いのに勝てないし手の内もばれてるんだろう?」
来ないことを祈るくらいしかできなくないか眉根を寄せ疑問を提起したテッカンはとりあえず耳から腕を放したが案が出ないと匙を投げた。


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