宝石とさよなら | ナノ


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入ってすぐ、目についたのは紙、紙、紙。
玄関にまで散らばる書類の束に整理役のナマエたち部下がいないとこの女は暮らしていけないのではないだろうかと我愛羅は呆れる。
この散らかりようだと確実に寝てないじゃないか、そう無茶をする部下に呆れ我愛羅は足元の書類を拾いシュデンへと渡していく。
それらに少しだけ目を通せば伝承資料やら歴史書から抜き出した文書で……。
いったい彼女は何を知っているのか。潜考する我愛羅を中からチクマがダルそうな声で呼んだ。

「……復帰が遅くなるだろう、寝ていろとシュデン達が言っていたじゃなかったか?」
「そんなことはどうでもいいんだよ我愛羅。それよりこれ、読んで」
「良くはないだろう……。ふむ、土影がポロリと零していたがやはりこの時代の人間なのか」
「違うそこじゃない」
こっちとソファにもたれかかるチクマがのろのろと立ち上がり我愛羅の持つ書類を数枚めくり朱色で下線を引かれた部分を指で叩いた。

「二代目火影…穢土…転、生……」
「うちはマダラと聞いて焦っていたのは万華鏡写輪眼の性能だったんだが、マジュ達に走り回ってもらってるうちにさらに厄介そうな術が出てきてしまった」

死人が生き返る、いや……意思の宿った傀儡と言えばいいか?ナマエとサソリを足して割ったようなものだ。
うちはマダラがまだ生きていたことには驚いたが二代目火影である扉間はこの術を何度も戦争に使っている。研究されつくしていてもおかしくない。
「万華鏡写輪眼と、この術を使ってくる可能性が高いんだな?」
「可能性ではないな、確実にこの術を使ってくると断言してもいい」
倒しても埒が明かない戦争なんて負けが決まっているだろう?馬鹿げた人間がやるクソみたいな消耗戦だ。
始める前から士気が下がりそうなことは黙っておいた方がいいだろうがこれについて対策を立てなくちゃいけないだろう。
あと今のうちに私の貯蔵してたチャクラと引き換えに、うちは一族が今まで使用してきた術をパイプつかって網羅しておいたからそれにも目を通しておいてほしいと、部屋の隅に置かれたレポートの山を指さし、私が起きたら会議を開くからシュデンも読みこんどいてと言葉にしている途中でチクマは限界が来たらしくソファーに倒れこみ眠りだした。



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