宝石とさよなら | ナノ


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自分達の関係を探られてるなんて梅雨も知らないナマエは荷物をまとめ里へ戻る準備をしていた。
試験官が戻れるのは下忍たちが里へと帰った後なのだがまあ半日程度ずれ込む程度だろう。
それなりの実力がありちゃんと道を知っている人間なら3時間程度で着くのだ。
巻物争奪戦は無く、塔内に一次試験時にこちらに来ていた彼らの担当上忍もいる、なお試験の間の戦闘は一切禁止なのでそこで馬鹿をするような輩もそうそういない……だろう。
しかし何事もなくてよかったと万が一の時に備えて読み込んでいたマニュアルをリュックの奥深くにしまいこむと一週間ずっとサソリに占領されていたテーブルを見やる。

「おっさん、昨晩散らかしてたパーツはちゃんと持った?」
「テメェはオレの母ちゃんか……」
ハンカチ持ったかみたいに言うんじゃねえとそのお綺麗な顔の真ん中に皺を寄せたサソリ。
初対面は敵同士であり拉致殺人犯と被害者家族…みたいな最悪な相手だったが家出中と塔で10日ほど過ごせば相手との距離もわかる訳で……。
師匠の遺言を守る為だったがそれなりに仲良くはなれたわけである。
まあ悲しいことにきっかけがラブドールとかいうエログッズへの興味だったわけなんだけど。
こういうところがおっさんなんだよコイツと毒薬を調合していた機材を念入りに手入れし鞄の中にしまったサソリに冷めた視線を送ってやった。
見た目は我愛羅君とそんなに変わんないのに実に残念だとぼんやり考えていれば視線に反応したサソリが顔をあげた。
「で、お前まだ家出すんのか?」
「うーん、いったん帰って話し合いするかな。頭覚めたし」
これ以上蟠りを放置しておいても良い事ないと思うからと覚悟を決めた私はさぁ出た出たとサソリを拱き明かりの消えた部屋の鍵を閉めた。


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