宝石とさよなら | ナノ


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半分ほどの下忍の子たちが御前のうちに処理を終わらせに来た。砂漠だから昼まで仕事をしてたくないと言う事なのだろう。動くなら朝早いうちの方が良いもんね。
人の波が切れ、一息着いたところでいつの間にか傀儡をきちんと直してくれていたマジュちゃんが昼飯何が良い?と私に尋ねた。
「あ、軽めのもので…」と返せば「了解、留守番よろしくね」と鼻歌を歌いながら出て行った。
渡された傀儡にチャクラの糸を伸ばし、帰ってきたら聞こうかと悩んでいれば、訪れたインパクトの強さに聞きたかったことがすっかり頭からすっ飛んで行った。
「志願書提出しに来たんですけどぉ」
茶髪の女の子を筆頭にぞろぞろと二班分の人数が部屋の中へと入ってきたため慌てて傀儡を下に置いてファイリングした資料を取り出した。

提出された志願書と資料を照らし合わせればこの部屋の騒々しさにも納得がいった。班同士の仲がいいのか不備確認の間、用意していた椅子に座りながら絶え間なくおしゃべりを続けている。
なるほど、この二班は高校生あたりの年齢で構成されているのか。そりゃエネルギッシュだよね。
人からおばさんと称されるのは顔をしかめてしまうがこの彼女たちを見ればくたびれたとも言えるだろう。
こっそり自爆して落ち込みかけた思考を払拭して受領の印を押す。
私がチクマちゃんたちから聞いた砂の情勢は彼女たちまで伝わっているらしく、「我愛羅様の期待に応えなくちゃね!」と健気な言葉を口にしていた。
上が自分たちにプレッシャーをかけているのがわかってるのにこれか、忍の子たちは本当にタフだなぁ。

最後の志願書へ印を押し、全員受け付けましたと告げ控えの番号を配る。
「受験番号ですので失くさないよう、それと何かありましたら私とマジュにお話くださいね」
里のどこかにいますので相談に乗らせていただきますからともはや定型文として暗唱できるようになった注意事項と補足を告げ解散させれば最後にドアから出て行こうとしていた女子二人がこちらに舞い戻って来たのだった。
「お仲間さん先に行っちゃいましたけど……」
早速質問だろうかと志願書の端を机で整えながら身構えれば「あの、私見たんですけど……」と不穏な空気を滲ませてきた。
おっと、これは思っていた質問と違うモノっぽいぞ……。
めんどくさいことにならないようにと祈りながらも私は至極事務的にどうしましたかと口にし、顔をあげた。


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