宝石とさよなら | ナノ


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人の良い顔して意外と鬼なチクマに取られたナマエの心配をしては我愛羅はため息をついていた。
顔にはおくびにも出さないが、流石に様子がおかしいと誰もが気づくだろう。
「風影様…、それ止めましょうよ。あとこれチクマのところから回されてきました」
「ナマエは元気だったか?」
萎れそうつぶやいた我愛羅にええ、元気に扱かれていましたよと半分嘘を言う。

チヨバア様のところに一人やるなんて冗談か何かだと思ったがチクマは本気だった。
これが彼女に捨てられるかどうかの瀬戸際だとわかっているかはわからないが、仕事をしていたらしいしその辺はしっかりとしているはずだ。
チクマも酷なことをするものだと思ったがまあ扱かれていたのは正解だからいいだろう。
己の上司へ嘘をつくとテッカンは我愛羅と黙ったままのシュデン達を一瞥し、再び里の整備へと戻っていった。

「我愛羅様もうひと踏ん張りです」
この山が終わればナマエにも会えますよとシュデンは書類の端を整えながら口にした。
自身の恋敵である彼女をダシに燃料を投下することしかできなかったのだ。
シュデンの言葉にそうだなと再び意欲的になった我愛羅を見て、もやもやと沸きあがってきた不快感を押し殺すようにシュデンも書類に目を通した。


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