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▼ オールドファッションモザイク


どん。いきなり腰に衝撃を与えられふら付いた私を隣にいた上司ことチクマちゃんが受け止めた。
ちょうど木の葉に会合があるからと我愛羅達と供に来ていたナマエが急務だと呼び出され、火影の部屋に足を踏み入れた途端これである。ちらりと締め付ける腰元に視線をやる。なーーーんか見たことある赤毛がいるんですけど?
「ナマエ!どこに行っていたんだ」
頬を膨らませた子供がさらに腕の力を強くする。うん、これあの、この子供もしかしなくても我愛羅くんですね。なんで?
「……説明を求めます」
「事故った」
「シズネさぁん……」
トントンを抱いて隣で冷や汗をすごい勢いで流していた補佐に詳細を求めたのは致し方ないことである。綱手様は説明を出来ないタイプだったのを失念していた。

「……いやまあ、いいですけど。その間業務停滞しませんか?」
流石に長年付添人として共に過ごしてきたからかシズネの補足は上手い。まあ端的に言えば事故には違いなかったんだが、禁術の巻物を何点かスパイに持ち出されたもののたまたま突きあたりの廊下にいた我愛羅くん達が防いでくれたらしい。その時に紐がほつれて中身が露出した巻物の一つに触れ…。
「縮んだ、と」
「まあそういうことだ」
「書の保管所を変えようとして整理していた矢先だったので、すみません」
綱手様の代わりに謝るシズネさん、まあそういうこともありますよねと零す隣のチクマちゃんを見る。わははと声を出し笑っている。こんな緩くていいのか木の葉…。情報部隊に所属し常日頃からチクマちゃんにタコができるほど情報の取り扱いについて注意を受けている私は察した。このチクマちゃんの笑顔は呆れているだけだと。同盟国しっかりして…。スパイ天国は日本だけでいいでしょ…。
「この状態で我愛羅と話し合いが出来そうにないのでな、代理でチクマに頼みたいのだが」
「まあそのあたりはどうとでもなるから大丈夫ですよ」
有事の際に風影の許可をほぼすべて一任されるのは砂隠れ襲撃時に経験済みである。上役との連携を取りつつリアルタイムで進められるので実は我愛羅より効率が良かったりもするのだった。というわけでナマエには会議の席を外してもらってとりあえず世話を頼みたい。他だと手に余りそうだしな、なんてチクマと交渉している綱手を尻目に適当な服を着替えさせられたらしい我愛羅はナマエに抱っこを強請る。ハイハイ、しゃがみ尻の下に腕を通してやり持ち上げる。すりすりと頭を肩に擦りつける我愛羅の幸せそうな顔を一対の視線が羨ましそうに眺めていた。

「で、その子はどうします?」
チクマちゃんが指をさす。気づいてたのかと組んだ指に額をのせてはぁとため息をついた綱手様の机の脇でびくりと金髪が揺れた。おっと、この子もなんか見たことあるぞ…。頬の線めっちゃ見覚えありますねぇ。
「ナルト君、おいで」
尻ごみしていた子供にそう声をかける。この子子供時代こんなに大人し…。どすっ。「いいの?お、オレも抱っこ!」我愛羅君と同じ場所にタックルを決め込み二度目は受け止めてくれなかったチクマちゃんを倒れた床から睨む。全然大人しくなかったわ。




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