企画 | ナノ


▼ そっとしといてよ


先日あった大きな戦に潜り込み、そこで暁のスパイをしていた忍を複数名消すことになっていたのだが、ちょっと慢心していたのか怪我を負って帰ってきたサソリとデイダラの看病を仰せつかっていたナマエは夕食を持ちデイダラの部屋に来ていた。
生身じゃないからか稼働部分はすでに直したらしく動けるようにはなったらしい。
そんなサソリが何故かデイダラの部屋に来ていた為、目が合ったことで一瞬だけ顔を歪めるとまっすぐデイダラの元に向かって行く。
「デイダラ先輩、お夕食ですよ。はいあーん」
「か、片腕使えっから良いって……」
「ダメですよ、安静にしてなさいって言われてたじゃないですか」
治るのおそいと困るのはこちらなんですからねーと湯気の立ったそれをふーと冷まし、口元へと運んでやるナマエ。
そういえばコイツ、一応デイダラより年上なんだっけ?
普段見せない年相応の姉っぷりを見せるナマエに最初は物珍しさだけを感じて観察していたものの、顔を真っ赤にしながら「う、うまいぞ」だなんて照れ恥ずかしがるデイダラにぶちりと自身の何かが切れた音が響いた。

「おいナマエ、姉貴ごっこするならオレでやれ。見た目15歳だし絵になるぜ?」
オレの芸術的な身体をさわるの許可してやっから世話しろよと上から目線で言い放ったサソリにナマエは冷めた目を向けた。
「35歳の癖に何言ってんだ。……ああ、介護か。そういうの良いです」
「んだとこら、こっちはそいつより重傷だったんだからな」
ヒルコなんか大破して直すのに時間かかるし今だって細かい作業できるほど腕が直ってねえから腹の中の破片そのまんまなんだぞと荒れるサソリに飯食えねえし生理現象もないんだから早く直せばと返す。
いよいよナマエとの応酬に部屋の壁をぶち抜かれかねんと感じたデイダラが仲裁に入った。

「ナマエ、オイラは良いから旦那の手伝いしてやってくれよ」
二人とも使えないと流石に角都がキレそうだからともっともらしい理由を付け加えるが納得いかないらしく、動こうとしないナマエを諭すようもう一度名前を呼んでやるデイダラ。
しばし無言が続いたかと思ったら、観念したのか心配そうな顔を向け、持ってきた夕食をデイダラの膝の上に置いて立ち上がった。
「先輩零して火傷とかしそうで心配だけど、行ってきますね」
「ナマエ治ったら覚悟してろよ、うん……」
ナマエをこちらにやろうとしてくれてるデイダラだったが、そのデイダラとの会話が自身とは真逆な応対をしている事を見せつけられたと理不尽な苛立ちを感じたサソリはナマエが「やだなぁ、直ぐ手ぇ出すんだよなぁ」と初対面時の一発はいまだ根に持っているからなと主張する愚痴をこぼした為、ぐちぐち煩ぇぞとナマエの頭を嫉妬も込めてひっぱたいた。






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