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▼ ご都合主義ってことね


「始めましょうペイン」
「わかった。それではこれよりサークル暁。全員欠けることなく今日を迎えることが出来た奇跡に」
乾杯。ペインの掛け声に11人分のグラスが盛大に鳴らされぐいと中のビールが一斉に減った。
大学一適当なサークルと言われてきた暁だったが、唯一スルー出来ない性格のデイダラがペインの音頭がおかしいと指摘する。
「ペインすでに酔っぱらってんだろ、うん!」
「大丈夫一杯だけならノーカン」
「やっぱ飲んでんじゃねえかテメー!」
幹事やっといて先に酔っぱらってんじゃねえよと至極まっとうなことを指さし叫ぶデイダラに「まあこまけぇ事は気にしたら負けだ」とサソリが飲み干したグラスをテーブルに戻し次の酒を注文する。
そんな周りの様子を見ていた角都も「相変わらずうるさいなこのサークルは」と呆れつつ、良くつるんでいた飛段に自分の同窓会費を半額負担してもらおうと昔貸していた金を請求しだしていた。

「イタチ、何かとろうか?」
ナマエが小皿をとり、隣にいたイタチへと尋ねるがうちはの会合じゃないんだから普通に楽しんでほしいとイタチが返せばそれもそうねと笑い食事を摘まみ始めた。
見せつけるようにさらりと普段の関係を出してきた二人にかゆいと一同体を掻きむしっていたが、そういえばと鬼鮫が皆と同じように二の腕を掻きながら「イタチさん会社辞めたんですって?」と問う。
うちははエリートで有名で、親族もほとんどが警察やら政治家やら株式会社うちはの幹部に就いている。
最初は一番縛られなさそうとその社員として二人は就職していたようなのだが、風のうわさでそんなことが流れてきたのだった。
鬼鮫の言葉になんだかんだで盛り上がっていた全員が一斉に顔を向けた。給料は他の会社と比べれば破格だったはずなのに一体何をしているんだと、特に角都が不機嫌そうにこちらに視線をやる。
揃った動作におおうと隣に座っていたナマエが動揺したがイタチは茶でも啜るかのように酒を胃へと落とし、そうだが?と疑問形で応えた。
「じゃあ今イタチさんは何をやってるんですか?」
「保育園」
「の園長」とイタチの言葉に付け足したナマエがちなみに私はそこの先生の一人ですと笑って答える。

「お前らが保育園やってる事の方が驚きだわ」
バリバリキャリア上ってそうなのにな、イタチとか親族も親も警察だからてっきりそっちに進むとかも思っていたがと誰かが口にすればそれに頷く。
あー…と微妙そうな顔を向けたナマエがぐびりと酒をあおり、上司にイタチがぶち切れて起業したんだよねぇと笑う。
あの温厚なイタチがキレたのか……、信じられないと百面相する彼らに小学生からイタチたちの事を知っているサソリと、うちはを知っており奥の方で密かに面の下を歪ませていたトビが同情した。
彼らの幼馴染であるサソリの表情を見て「何があったかは聞かないことにしとくからな、うん」とデイダラも波及したように同情を向けた。
「そもそも何で保育園?」
「サスケの子供が出来たときに安心して預けられるように」
「先が長ぁい!!!!」

思わず突っ込んだ飛段を無視して「サスケはモテるからな」と弟自慢を始めたブラコンのイタチにナマエが乗る。
「大学もまだ入ったばかりなのに既に囲まれてるのを見たし、まあ結婚相手には困らないと思うよ」
誰の子でもきっとすごくいい子が生まれるだろうけどサスケが子離れできるかが心配だわとイタチをちら見しながら笑ったナマエに気付いてイタチが頬を膨らませた。
いい歳した男がやっても可愛くねえしナマエも胸に手を当てろ!とデイダラがイタチの天然ボケとそれを助長させかましていくナマエ二人に勢いよく突っ込んだ。




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