企画 | ナノ


▼ ニットに顔をうずめて


「お休み我愛羅君」
はしゃぎ疲れうとうとしだした我愛羅君をベッドまで連れて行き、布団の上に寝かせる。
生まれて初めてのパーティだったのではないだろうか。
キンコウさんにオイラクさん、マタンさんに、テマリちゃんやカンクロウ君にバキさん。ヤリスマルさん……は来なかったがそれでも我愛羅君に悪意のない者が増えたのはとても喜ばしいことだった。
贅沢は出来ないためプレゼントはないが、代わりに腕を振るった料理は一つも残らずお腹に納めてもらえた。
子供らしくきゃあきゃあとケーキを頬張っていた我愛羅君は流石天使というかなんというか。本当にかわいらしくて困ったよね。
1時間くらいでいつものように起きだすだろうがとりあえずそれまでに片づけを済ませて戻って来ようと完全に寝付いたのを確認してからおでこを撫でて戻る。


起きて隣にナマエがいるのを確認し、もそもそと布団の上で這いずる様に近づく。
サンタさんが生まれて初めて自分の元にまで来てくれた事に我愛羅は布団を口元まで被り、ふふと笑う。。
ナマエが来てから嫌われないようにではあったがずっといい子にしていたからだろう。サンタさんのお眼鏡にかなったのかもしれない。
随分とそそっかしいサンタさんだったが世界中を回っているのだとしたら多少早めに届いてもしょうがない。
納期は大事だもんね、それでもボクは嬉しいよ。
我愛羅の考え方はその出生と育ちゆえに随分と大人だった。

「サンタさんナマエをくれてありがとう」
泣き虫の我愛羅は唇を内側へ巻き込み食いしばるとギュッと目を閉じてそれを我慢する。
玩具ではないプレゼントが震えた我愛羅に気付き、仔狸の背をあやした。




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