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拍手お礼文(一次短編)

「言い訳少女の分裂」


私は私が嫌いです。大嫌いです。だけど誰かには愛して欲しいのです。嫌いな私を、誰かに押し付けてでも。…こういう所が、嫌いなんです。

あの人は、凄く優しい人だったので。あの人は、凄く真っ直ぐな人だったので。
私を受け入れられない私を、あの人が受け入れてくれるなら、きっとそれはとても嬉しいことなので。

ので。ので。ので。

制服のリボンに、珍しくアイロンをあててみました。髪の毛を、少し巻いてみました。言葉遣いを、意識してみました。
すると。
話しかけてくれました。冗談を言って笑わせてくれました。肩に触れてくれました。

私も笑っています。それがとても、気持ちが悪くて。

何を自惚れそうになっているの?何を期待しているの?私は誰かに好かれる存在なんかじゃないこと、私は解っているはずでしょう?私は人類の底辺の、それまた底辺に位置する人間なのに。そんな私を、誰かが見て、愛してくれるわけないでしょう?

私が私を責め立てる。
それは、私が私を嫌いだから。

本当の私は、どっち?
私はどんなコ?私はナニ?私は。私は…私は?

自己嫌悪の末に、ごちゃごちゃになった頭の中。そこでぽかりと、顔を出したのは、わたし。私じゃない、わたし。

私はわたしの存在を作って、どことなく納得したらしいので。
私はわたしの存在を、肯定したかったので。
私は愛されないわたしの存在を、容赦なく嫌えるようになってしまったので。

ので。ので。ので。

一番外にある私を、ワタシだとすると。ワタシという殻の中には、私とわたしがいて。
私は、普通のコ。世間体に合わせて常識の仮面を被る、正しい立派なコ。でも、感情の薄いコ。だってワタシの感情の大部分は、わたしが握っているから。
わたしは愛されたいコ。ずるいコ。汚いコ。わたしに都合の良いことばかりを願って、その願望にそぐわないと気付けばすぐ言い訳をする、悪いコ。

わたしを嫌っているのは、常識のある私。だってわたしは案外、不幸がってるわたしが少しばかり可愛い。
わたしは寂しいがり屋さん。甘えたくて仕方なくて。無償の愛を求めて、なんてことないあの人の仕草にときめいたり。
期待しても、何もくれないわよ。そう冷たい唾を吐く私に、わたしは同調せざるを得ない。
だって勘違いは、恥ずかしい。

わたしはとっくに、私が正しいと気付いてる。あの人はわたしにも、私にも、興味ない。ワタシが2人いることさえも、知らない。わたしは愛されたい。わたしを愛して欲しい。私じゃない、わたしを。

でもわたしは愛されないので。そんな可愛らしい存在じゃないので。そんな素敵な女の子じゃないので。
ワタシの中のわたしを愛して欲しいけど、あの人を好きなのは私も同じ。私も、あの人にわたしを見てもらって、愛して貰えたら…って思ってる。でも実際は、そんなこと有り得ない。だからわたしの存在を隠して、私があの人と一緒に笑うの。

だって。
あの人にわたしを知られるわけにはいかないので。あの人に遠ざけられたくないので。常識のある私なら、嫌われることはないので。

ので。

ので。

…ので?


私は、愛されることなんて、とっく昔に諦めているので。
そもそも、私がわたしを嫌いなのに、そのわたしを好きだと言ってくる人が現れれば、それほどまでに気持ちの悪いことは無いので。
好き合っても、どうせそれは自分の存在を認めてくれる存在が欲しいだけの、自分の為の精神安定剤にしかならないと解っているので。

でも。やっぱり、さみしいのは変わらないらしいので。

私は大ッ嫌いなわたしを享受して、あの人から距離を置くのです。


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いくつ矛盾しているかなんて、多過ぎてかぞえられない(笑)



20130628


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