+ Web Clap + 拍手ありがとうございました!! 励みになります…!!! --------------------- 拍手お礼文(一次短編) 「言い訳少女の分裂」 私は私が嫌いです。大嫌いです。だけど誰かには愛して欲しいのです。嫌いな私を、誰かに押し付けてでも。…こういう所が、嫌いなんです。 あの人は、凄く優しい人だったので。あの人は、凄く真っ直ぐな人だったので。 私を受け入れられない私を、あの人が受け入れてくれるなら、きっとそれはとても嬉しいことなので。 ので。ので。ので。 制服のリボンに、珍しくアイロンをあててみました。髪の毛を、少し巻いてみました。言葉遣いを、意識してみました。 すると。 話しかけてくれました。冗談を言って笑わせてくれました。肩に触れてくれました。 私も笑っています。それがとても、気持ちが悪くて。 何を自惚れそうになっているの?何を期待しているの?私は誰かに好かれる存在なんかじゃないこと、私は解っているはずでしょう?私は人類の底辺の、それまた底辺に位置する人間なのに。そんな私を、誰かが見て、愛してくれるわけないでしょう? 私が私を責め立てる。 それは、私が私を嫌いだから。 本当の私は、どっち? 私はどんなコ?私はナニ?私は。私は…私は? 自己嫌悪の末に、ごちゃごちゃになった頭の中。そこでぽかりと、顔を出したのは、わたし。私じゃない、わたし。 私はわたしの存在を作って、どことなく納得したらしいので。 私はわたしの存在を、肯定したかったので。 私は愛されないわたしの存在を、容赦なく嫌えるようになってしまったので。 ので。ので。ので。 一番外にある私を、ワタシだとすると。ワタシという殻の中には、私とわたしがいて。 私は、普通のコ。世間体に合わせて常識の仮面を被る、正しい立派なコ。でも、感情の薄いコ。だってワタシの感情の大部分は、わたしが握っているから。 わたしは愛されたいコ。ずるいコ。汚いコ。わたしに都合の良いことばかりを願って、その願望にそぐわないと気付けばすぐ言い訳をする、悪いコ。 わたしを嫌っているのは、常識のある私。だってわたしは案外、不幸がってるわたしが少しばかり可愛い。 わたしは寂しいがり屋さん。甘えたくて仕方なくて。無償の愛を求めて、なんてことないあの人の仕草にときめいたり。 期待しても、何もくれないわよ。そう冷たい唾を吐く私に、わたしは同調せざるを得ない。 だって勘違いは、恥ずかしい。 わたしはとっくに、私が正しいと気付いてる。あの人はわたしにも、私にも、興味ない。ワタシが2人いることさえも、知らない。わたしは愛されたい。わたしを愛して欲しい。私じゃない、わたしを。 でもわたしは愛されないので。そんな可愛らしい存在じゃないので。そんな素敵な女の子じゃないので。 ワタシの中のわたしを愛して欲しいけど、あの人を好きなのは私も同じ。私も、あの人にわたしを見てもらって、愛して貰えたら…って思ってる。でも実際は、そんなこと有り得ない。だからわたしの存在を隠して、私があの人と一緒に笑うの。 だって。 あの人にわたしを知られるわけにはいかないので。あの人に遠ざけられたくないので。常識のある私なら、嫌われることはないので。 ので。 ので。 …ので? 私は、愛されることなんて、とっく昔に諦めているので。 そもそも、私がわたしを嫌いなのに、そのわたしを好きだと言ってくる人が現れれば、それほどまでに気持ちの悪いことは無いので。 好き合っても、どうせそれは自分の存在を認めてくれる存在が欲しいだけの、自分の為の精神安定剤にしかならないと解っているので。 でも。やっぱり、さみしいのは変わらないらしいので。 私は大ッ嫌いなわたしを享受して、あの人から距離を置くのです。 ――――――― いくつ矛盾しているかなんて、多過ぎてかぞえられない(笑) 20130628 |