※3年→2年時の話。
柳生と柳が同じクラスの設定です






「な……」
「これで文句ないじゃろ……プリッ」
「私の入部、認めて頂けますね?」

立海大男子テニス部は神奈川では勿論、全国でもその名を知らぬものはいない程の強豪校だ。テニスの腕を磨く為に入学してきた者も多い。そういった背景もあり柳生の途中入部に対し反対意見も多かった。尻軽に見えるのかのう……柳生さんはそんな子じゃないのにヒドいわー純粋にテニスが好きで入部したいって言ってるんですー見てくださいこのポエム!!と懐からノートを取り出したら持ち主から全力で殴られた。なにさらすんじゃ!これを見せたら皆納得して「それ以上言ったら灼熱のアリゾナ砂漠で歴代のクイズ王8人とアメリカ横断ウルトラクイズ名物のばら撒きクイズで先に2ポイントゲット出来るまで絶交です」それは困るのう。俺、日に当たったら死ぬし。
「もとい。では私のテニスの力量を試してから判断して頂くというのは如何でしょうか」
おーおー言うのう。先輩たち目ェ剥いてるぜよ。意外と気ィ強いもんなお前さん。そういうとこ好きよ。
「じゃってさ。相手してくんしゃい先輩方」
柳生にはテニスの素質がある。人を見る目には自信あるんよ俺。ほら、
「なんだ、あのパッシングショットは……!」
ね?





「些か派手過ぎたと思うが」
部活に誘おうと柳生の教室を覗くが奴はそこには居らず、まだ教室に残っていた柳に声をかけられた。
「柳生の入部の事かのう?」
「ああ」
「ウチの部は実力主義じゃ。あれだけ見せつければ柳生の入部を認めざるを得ないじゃろ」
柳生は必殺のパッシングショット『レーザービーム』を武器に、レギュラーではなかったとはいえ3年の先輩をあっさり6-0で破ってしまった。ま、奴の実力を考えるとと当然じゃけどな。
「しかし部員のやっかみも買ってしまった。残念ながらウチの部員は物分かりの良い奴らばかりではない。比呂士の身に何も起こらねばいいが……」
比呂士、ねぇ。
柳と柳生は1、2年と同じクラスであり、仲の良い友人らしい。いざこざに巻き込まれやしないか心配なんじゃろ。だけどな、
「参謀よ。ウチはシングルスは強いが、ダブルスで全国に通用するのはブン太とジャッカルくらいぜよ。お前さんもダブルス組んでたようだがしっくりくる相手は今のところおらんようだし、新たなダブルスが必要じゃ」
「ダブルス?」
そうじゃ、ダブルスぜよ。
「柳生と最初に接触したとき、ピンときたんじゃ。コイツと俺は最強ダブルスになるってな」
「……」
「なぁに、心配しなさんな。柳生が危ない目に遭わないように休み時間も放課後も一緒にいるようにするぜよ。怪我でもしてやっぱり辞めます!ち言われたら計画が台無しじゃ」
友人というフィルターが邪魔をしているようだが、立海三連覇を確実にする為には多少危険に晒す事になっても柳生を引き入れる必要があるのは判っちょるじゃろ、『参謀』――
柳はしばし思案した後判った、と頷いた。
「俺ももう一組固定ダブルスが欲しいと思っていたところだ。比呂士の事は俺も気をつけて見ていることとしよう」
「宜しく頼むぜ、参謀」
柳生と同じクラスの柳が協力してくれるなら安心じゃ。
「――比呂士、戻って来たぞ」
柳が教室の入り口を指差す。
「ん。お前さんも一緒に行くかの?」
「いや、先に行ってくれ。図書館に用事があるのでな」
「おん」
「……ピンときた、か」
「?」
「否、気にするな。早く行け。遅れて嫌味を言われるのも面倒だろう?」



   



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