tears and drops



眠れぬ夜に沈む音粒

差し伸べてほしかったの、

温もりに縋(すが)
(柔らかくなんてないのにその体温が泣けるほど優しくて、)

包まれて漂った夢が明けるまで、
(あの月が沈んでも離さないでいて)

涙の色みたく透明な空をもういちど見たいから。

白む空、飛び立つ鳥

結んだ糸が僕らを導く

かの人の想いを汲み取れるのは君が世界を愛しているからさ
(ならば捧げよう僕の心音)

論理よりも確かな感覚と鼓動に感情が揺れた

不協和音ですら泡となって、


深海と浅瀬の波間に、(浮かんではきらめく虹の音を)

意識が落ちていく、重低音に誘(いざな)われて

透明なピアノが奏でる透明な音律

霧雨は泡を弾いて、(浮かんだ夢を優しく隠す)

音の進行が深みを増した

無心で向き合えば今宵こそ眠れるはずさ、

自分の中の泉を空(から)にして生み出すの、

究極のヒーリング・ミュージック
(好きな人の音の中で眠れるのよ?)

優しいベースの音があたしの頭を撫でてくれるわ、

揺られて、酔わせて、ラム酒入りチョコレートのようにあたしを溶かして。


そう云って君は微笑んだ
(その表情に心さえも絆(ほだ)される)

何時から貴方の声なしでも日々を刻めるようになったのだろう
(あたしの心の中の水となって護ってくれるの)

キャンディーを舐めるより、ココアを飲むより安心するのよ
(逢えないのに体温を感じるなんて云ったら貴方は笑うかしら?)

胎動のなかで必然を識る
(それは運命より強く宿命より光るもの)

この秒針を超えたら、

曇と社と光の雨

風よ、微笑みて頬を撫でたもう

きみにしか叶わぬことばで
(どこまで落ちたって感情ごとあなたが受け止めてくれた)(それはまるで、)

心の琴線に触れて魂の記憶を紐解くの、

それからぼくはきみの目蓋に虹を見て、
(あぁ、すごく、綺麗だ。)



- - - - - -

bgm CD : 「Nijiの詩」(収録全5曲)
/ Tsuyoshi Domoto

原題 : 2011.1205





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -