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ピンクの小粒 共通

ラッピングを施してあるものを机の上に置き、開封するべくシュルッとリボンを取る。


事の始まりは昨日。
仲のいい女子数人集まってプチパーティーを開催した。

プチパーティーなんてただの名目で、集まって色々話せれば何でも良かったんだけど、丁度彼氏が出来た子とか試験に受かった子とかめでたい事が重なったのもあって、それならいっそパーティーみたいにしちゃおう!と誰かが言い出したのが始まり。
とは言っても、高校生の身分でパーティーなんて出来るはずもなく、結局は誰かの家に集まって騒ぐだけだったんだけど。

持って行くものは千円程度のプレゼントとお菓子とジュース。プレゼントは真面目でもネタでもウケ狙いでも何でも良くて皆面白おかしく選んだみたい。
幼稚園の時にやったみたいに音楽をかけてプレゼントを回していき、音楽が止まった時手元にあったプレゼントを貰えるというもの。

交換会を含めたプチパーティーは大いに盛り上がったけど、気になるのはこの中身。昨日は疲れて寝ちゃったのもあって開けられなかったが、起きて身支度を整えてからやっと開封しようと机の上に置いた。


「何だろう・・・」


頭に過ぎるのはコレを選んだ友達の言葉。


『あら、葵が当たっちゃったか』
『うわ。アンタが選んだのってアレだったよね』
『そうそう。でもま、葵彼氏いるしいいじゃん』


と、彼氏云々で締めくくられたのが気になる。
・・・変な下着とか?だったら申し訳ないが日の目をみることはないだろう。

思いのほか厳重にラッピングしてあるソレは触る限りでは缶みたいなのに入っているけど。振るとカラカラ、カサカサと複数入っているような音がする。

どうか、変なモノじゃありませんように。そう祈りながら包装を剥がすと出てきたのは色鮮やかな缶。
しかし、書いてある見出しが問題だった。


『R18 オトナの缶』


デカデカとピンクと紫で表記されたそれは余りにも怪しい。
嫌な予感しかしないけど、留めてあるテープを心持ちゆっくりと剥がして蓋をあけた。
すると目に飛び込んできたのはピンク色の物体。小さい本体からヒモみたいのが伸びていて、先端にはこれまたピンクの丸い粒。

実際に見た事はないけど、何となく聞いたことのあるアレ・・・なのか。
カチッと電源を入れてみると電池は内蔵されていたようでヴー、と鈍い音を響かせて微振動を始めたソレ。


「嘘でしょ・・・」


やっぱり、ピンクローターで間違いない。
なんていうものをプレゼントしてくれたんだ友人よ。

彼氏がいるから何だっていうんだ。
一緒に使えとでもいうのか・・・。

頭の中に彼の顔が過ぎってしまい、吹き飛ばすように頭を振った。
無理無理!やっぱりありえない!!
とりあえず後でどこかに隠すとしよう。貰ったものだし、捨てるわけにもいかない。

一先ず横に置いておいて、他の入っているものを確認するためにもう一度缶の中を覗き込んだ。すると、やめてくれと願っていた布面積の異様に少ない下着が一つ。容器に入った得体の知れない液体が一つ。
何となく検討はついていたが、容器を手にとって商品名を読むと・・・ローションだった。

本当に・・・ネタなのかウケ狙いなのか。
机の奥底にでも隠しておけばいいかな・・・。それで、誰か欲しいって言う人がいたらあげよう。うん、そうしよう。

缶の中身の行き先を決めた瞬間、自室の部屋のドアがノックされる。

ヤバイ。
そういえば先ほど彼氏から今から行くと連絡が入っていた。まさか中身がこんなものだとは想像もしていなかったので普通に開けていたけどマズイ。すこぶるマズい。


「は、はーい」


そう返事をしながら、自分史上最速と言わんばかりの速さで手にしていたものを缶に詰め込んで机の中に押しやった。

でも私は焦りすぎて最大の失態に気付いていなかった。
横に置いていたピンクの物体を、あろうことかしまい忘れていたのだ。


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ここから分岐になります。
全てR18になりますのでパスワード入力お願いします。


◆分岐ルート◆

及川ver.

黒尾ver.

影山ver.

write by 神無


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