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DESIRE


「御幸一也ね。ねぇ、そいつの何がカッコいいわけ?」


そう言いながらジリジリと距離を詰める徹くんに冷汗をかきながら後ずさる。
徹くんの顔に笑顔は一切なく、下手な言い訳をしたら逆撫でする結果となりそうだ。

事の発端は今日のお昼間。野球部のマネージャーである友人が持って来た野球雑誌を見ていた時の事だ。


「私が注目してるのは彼!!青道高校の御幸一也くん!!かっこよくない??」


そういって指さす先に写っていたのは他の人とは違うガッチリとした防具を付けた男の子で、その顔は自信に満ち溢れていた。
どうやら彼はキャッチャーだから防具を付けているらしい。そのくらい野球には詳しくないが眼鏡の奥に光る眼が勝ち気で、あぁ本当に野球好きなんだろうな〜と感じさせる写真に心惹かれた。
好きな事を真剣にしている人の顔は素直にカッコいいと思えて友達のセリフに同調するように「カッコいいね」と返した。
そんなところを徹くんはばっちりみていたらしい。

徹くんの部活が終わるのを待つ間、友達から「少しは野球の勉強して!」と手渡されたその雑誌を読んでいたのもいけなかったのかもしれない。
部活を終え私がいる図書室まで来てくれた徹くんは、私が御幸一也くんを見ていることにすぐに気づきその表情を無へと変えたのだ。


「雑誌に載るくらいスゴイ奴がカッコイイわけ?」


これは最高にタイミングを誤ったやつだ。
ちょうど少し前に天敵ともいえる牛若くんが雑誌に載ったと不機嫌そうにしていたばかりだというのに。
もちろん徹くんも私が本気でカッコいいーとか好きーとか言っているとは思っていないだろうけど、きっと面白くないに違いない。
何に対してってわけでもないが、自然と口から出た謝罪の言葉に徹くんが眉を寄せた。


「ふーん、謝るようなことしてるんだ」


無表情の時よりもわかりやすく機嫌を損ねた徹くんに窓際まで追いやられる。
ちゃんと鍛えられた長身に間近ですごまれてはどんなに慣れた顔でも委縮してしまうというものだ。
見つめているのが怖くて視線を下にそらした私の顔に手を伸ばし、無理やり上を向かせた徹くんにヒッと喉がなった。


「他所見してないで俺だけ見てろよ」


怒りを含んだ低音に体の硬直は解けないくせに、言われたセリフが恥ずかしすぎて心臓が痛い。嬉しいのか怖いのかわからない感情が整理できず完全に瞬きも忘れて固まる私をじっと見つめていた徹くんの手が急に離れた。


「な〜んてねっ!ちょっと怖がらせすぎた??」
「・・へ?」


しかめ面からいたずらっ子の様な笑顔に変貌した徹くんについていけず、変な声が出た。
きっと今、私は間抜けな顔をしていることだろう。
混乱している私にごめんごめんと言いながら頭をなでる徹くんの手は優しいものへと変わっていて、強張っていた力が抜けると同時にその場に座り込んだ。


「徹くんのバカぁ、、、本当に怖かったんだから」
「ごめんって。でも他の男見てカッコいいとか言う葵にムカついたのはホント」


だからもうコイツの雑誌なんか見てんなよと、机の上に置いたままになっていた雑誌を自分のカバンへとしまう徹くんを慌てて制止する。
友達から借りたものだからと雑誌を掴むが、徹くんはそんな私の手を引きはがし、ぐっと顔を近づけて来た。


「コレは俺が返しておくから。お前はもう俺だけ見てればいいの」


息がかかる距離でそんなことを言われたら反論なんてできるわけもなくて、小さく「はい」と返事する私に満足そうに笑った後、チュッと軽く唇が合わさる。
先程からの顔の近さですらどうかと思うけどキスまでするなんて…と慌てて周りを見たが、しゃがんでいたおかげか机の陰になっていて誰の視線も感じることはなかった。

徹くんは元々見えないと分かっていたのか、私の反応を楽し気に観察しながらニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
嫌な予感しかしない笑顔に離れようとするが、すでに逃げ場などなく、上半身を壁に押し付けられるようにして激しく唇を奪われた。まって、なんて言葉を発する余裕は少しも無い。
角度を変えながらも侵入してきた舌が口内を犯し、私の理性を飛ばしていく。
眼を開けているのも恥ずかしくてギュっと瞼を閉じているせいか余計に徹くんの動きに敏感に反応してしまい、キュンと下腹部が疼いた。


「ちょっとだけお仕置き」


徹くんのそんな声が聞こえると同時に股に刺激を感じ慌てて目を開けると、徹くんの膝がスカートの中へと押し付けられていた。
こんなんところで何を・・なんて言う暇も与えずグリグリと膝で刺激され体中に電気が走ったように震え、たまらず声が漏れる。


「可愛い反応」


そう耳元で囁いてからぬるりと舌で耳の中を舐められ、再び声が出そうになったのを必死に手で押さえた。
耳元に響く水音と小刻みに揺れる下半身の刺激にどんどん息が上がっていく。

でも、足りない。直接触られることのない刺激は中途半端で、体中が疼くのにその先へといけない刺激がもどかしい。


「とぉるくん、、」
「なに?そんなエロい声出しちゃって。こんなところでオネダリ?」


分かっているくせにワザと羞恥心を煽ってくる徹くんは、指先で首筋を撫でながらそのまま胸まで指先を降ろし、服の上からグリグリと中心を押し付ける。
新たに与えられた刺激に体は弾むが、まだ求めているほどのものはやってこない。
半分涙目になりながら徹くんを見つめると、ククッと満足そうに笑って指で唇に触れた後、私から離れて行った。
なんで・・・。疼くだけ疼いたままの体がもどかしくて徹くんを見るけど、これ以上触ってくれる様子は見受けられない。動けずにいる私を立たせた徹くんは、2人分の荷物を持って私の手を引いて歩きだした。


「お仕置きなんだからこれ以上はダーメ」


早く帰るよ、と足を進める徹くんに引きずられるように後をついて行くが、股の違和感が拭えずぎこちない歩き方になる。
こんな状況で止められたことなんてないから気持ちがついていかず、徹くんの腕へとしがみついたけど、それ以上なんて言っていいのかわからず立ち止まる。

ココは学校で、本来なら止めてもらって助かったと思わなくちゃいけないのに。
なのに、もっと・・なんて言えるわけがない。体と気持ちが合わず戸惑う私に徹くんは困ったように笑いながらチュッと音が鳴るキスをくれる。


「あんまりそんなエロイ顔しないでよ。俺だって結構キてるんだから」


自分でやっといて何なんだけどね、と笑う徹くんが下半身をカバンで隠すように歩いていたなんて気づいていなくて、顔と交互に見比べてしまった。


「だから早く帰るよって言ったでしょ」


ほら行くよ、と再び歩き出した徹くんの横に慌てて並んで帰り時を急ぐ。
徹くんのその横顔は少しだけ赤いように感じたけど、たぶん私の方が赤い顔をしているだろう。
帰ってからのことを期待している体は先程とは違う疼きをもたらす。
それは他の誰でもない、徹くんが相手だから。


「へへ、徹くん好きだよ」


溢れた思いをそのまま口にした私はお仕置きされたばかりだと言う事を忘れていた。


「帰ったら覚悟しておきなよ」


俺を煽ったんだらか遠慮しないよ、といった言葉通り、翌日まで響くほどの激しいモノになった事は誰にも文句が言えなかった。




まさかの話しだけでも御幸をだすっていう暴挙に出ましたよww
ダイヤとの微妙なクロスオーバーですが、分からない方は高校野球頑張ってるイケメンがいると思っていただければ幸いです(笑)

本当はもう少しエロまで書こうかと思っていたのですが、長くなりすぎるので微妙なラインで止めましたw
自分でも物足りないけど仕方ない(笑)
続きの行為はご想像にお任せします!

write by 朋



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