二つ、世迷言がありまして。
私は薄情な生き物です。
君が涙を流すとき、
私はただ驚くだけかもしれません。
君が病に臥したとき、
私はおろおろするだけかもしれません。
君が道を失ったとき、
私はただ君を残念がるだけかもしれません。
君が私を詰ったとき、
私はただほろほろと泣くだけかもしれません。
君が辛く苦しむとき、
私はそれらに一切関与しないかもしれません。
君が私に縋っても、
私はただ無力な一人でしかないかもしれません。

しかし、我が君。
君が夜を恐れるときは、
それでも私を見出してほしいのです。


  
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