「プルートさん、顔色が悪いですよ?」
「…すみません。俺が作りました…」
ああ、言ってしまった。神様仏様…どうか犬と一緒に放流だけはされませんように…
「ふ〜ん…やっぱりこれプルートが作ったんだね…」
ゼウスが鍋を見て言う。
「いや、さ。愛さえあればLOVE IS OK!ってテレビでやってて…」
「…それはな…」
ゼウスの声が微かに震える。
「普通の料理を作れる人に限る台詞であって…!」
ゼウスの目が、ギンと光って
「誰でも愛さえあればOKって訳じゃないんだ!特にプルートの料理はね!」
俺の頬をアルミの鍋が物凄い勢いで飛んでいく。ゼウスに投げられた鍋が、俺の後ろでお亡くなりになっている。
スープの掛かった壁は無惨に溶けている。
「さぁて」
パキと骨のなる音が耳に届いた。それはゼウスの重ねあっている手の中から聞こえてるもので…
「いつもはお空で空中浮遊だけど…今日は寒空の下漂流ツアーなんてどう?」
楽しいよ?と笑顔。
ゼ、ゼウス…目は笑ってないぞ…
「え、遠慮してイイデスカ?」
「拒否権はないよ?」
―――もう料理はしません…多分。
<FIN>
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「ミサの調べ」の望月さまより。ありがとうございます!プルートさんの良いところ丸出しで(笑)壁を溶かすラーメンまで作れるとは天才な…!本当にありがとうございます!
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