あとがき



あとがき


 それまで異世界ファンタジーというものをまともに書いたことのない自分が、どこまで書けるのか、どういうものを書けるのか、と試すつもりで書き始めたこの物語。というかそもそも自分、本当に書けるのかよと半ば面白半分で手を出したのがいけなかった。
 途中で躓いて書き直し、よくよく振り返ってみれば稚拙な文章の数々……今でも散々な文章ですが、それよりも酷かったのだから若いとは恐ろしい。怖い。勢いはいいんだが。
 そんなこんなで完結までおよそ三年ちょっとかかるという、何かもう恐ろしい結果になりましたが、途中から本当に終わるのかと不安に思った方もいるかと思います。大丈夫、書いている本人が一番不安でした。
 結末は一応、当初の予定通りと言えば予定通りです。結末だけなら。そこに至るまでと終章が自分でも驚く内容になりましたが、いかがでしたでしょうか。あとがきから読む派です!という方には、そういう内容なんですとお答えさせて頂きます。
 この物語の中では誰が正しいということもなく、実は皆、間違っているのではないか、と思います。でも、その間違いが人というもので、その間違いを許せないのも人。この話では人でないものもちょっと出ましたが。
 「時間」とはそういう間違いすらも飲み込んでいく大きなもの。その中でどういう人々が生きていたのか、生き様の片鱗でも描けていればなと思います。
 約三年もの間、彼らの物語にお付き合い下さり、ありがとうございました。感想を下さった方、応援して下さった方、読んで下さった方、見守って下さった方……沢山の方に支えられて完結を迎えられてほっとしています。これで枕を高くして眠れますが、足を向けては眠れません。本当にありがとうございます。
 読んで下さった方々の一人ひとりに、これはどのような物語として映ったんでしょうか。
 どんな形であれ、そこで初めて、この話は本当の完結を迎えるのだと思います。

 これにて、アスたちの物語はひとまず終わります。しかし、時間が続いている以上、彼らはこの後も生き続け、この後もどこかで笑ったり泣いたりしていることでしょう。
 そしてこれから読もうという方には、そんな奴らの足跡が見れるんですよ、とだけ。
 まだ目覚めたばかりの「暁の帝国」は、すぐ側で待っています。



2008/04/25 神儺 拝

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