時代の潮流が機械化という時代にあって、戦場は己の身体に改造を施して巨大になった機械化された兵士達であふれるようになった。 そんな中、生身の身体ひとつで、それら機械化した者達とも渡り合うサムライ達がいた。 そしてその中には、まさしく「最強」と称えられ、同時に恐れられた英雄達がいた。
人々は彼ら英雄達のその圧倒的な強さへの賞賛と畏怖を込めて、こう呼んだ。 “御剣彦” “飛天丸” “黒焔”
小競り合いを重ねていた幾つもの小国同士が同盟を結び最終的に北と南で大きく二分される切欠と、機械化による戦力の底上げの切欠を与えた、大戦の初期を飾りし伝説の英雄。 そして、伝説の再臨となり戦場をことごとく無に帰せしめたとされる、終端を飾りし英雄。 華麗に天を舞い、戦場を駆ける彼らの姿は、美しき鴉のようだったという。
――その本名は誰も知らず、されどこの大戦中、最も際立ってその通り名を各地に轟かせ、大いに恐れられた英雄達。
しかし人々は知らない。 英雄達の、その正体を。
英雄達が正体を明かさなかったその理由も、彼らが知ることは無いだろう。
そもそも知る必要も無い。 彼ら英雄たちが戦っていた――その真の敵の正体など。
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