Short×2+Story
短編未満とかネタメモとか。



「 ドラゴン×車まとめ 」


ツイッターで呟いてるうちに妄想が暴走し、ちょっとしたお話になったドラゴン×車(自動車)のまとめ。
少し書き足してますが、それでも短いです。






一時期なんやかんや言われていたドラゴン×車を真剣に考えていました、無機物である車に「継ぎ目のないつるりとした皮膚が美しい」とかズレた愛を囁きながら寄り添って眠ったり、車体に傷をつける動物たちを追い払ったり、車を綺麗にしてくれるから雨の日が好きになったりするんだろうなって思いました。

彼らは長い長い年月を共に過ごしましたが、ドラゴンは次第に朽ちていく車をどうすることも出来ませんでした、毎日必死に抱き寄せて温めて、山ひとつふたつ向こうだろうと雨が降ればどこにでも連れて行って。錆だらけの脆い金属の塊に、それでも君は美しいと囁き続けて。けれど車は朽ちていくばかり。


出会った頃の美しい姿は見る影もないボロボロの金属、愛しい車に寄り添って、ドラゴンは泣きました。それでも君は美しい、そう鳴きました。幾千、幾万と日が巡っても泣いて鳴いて泣き続け。やがてその巨体に苔が生し、木々が芽吹き、花が咲き乱れ、鳥が歌うようになった頃、ドラゴンは静かに目を閉じました。


この島には優しい傾斜の山があります。ちょうど、大きな生き物が身体を丸めているような形をして、島の中心の小高い丘を守るように、優しく抱くように、山は眠っているのです。
貴方と私の立つこの大地がかつて何と何であったかは、言うまでもないでしょう。君はずっと美しい、と私に微笑む貴方には。



15.05.09 22:49  sato91go



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