短編

ギブミーベイビーローズ


※未来設定

『ぼくの両親』
ぼくの父はヒーローです。中学生の頃に高額納税者ランキングに名を刻むと宣言した通り、あの意地汚いランキングの上位には父の名前があります。伏線回収です。ヒーローとして、日々多くの人を救ったり尽くしたりしている父。そんな父の背中をぼくはいつも見ています。たくさんの怪我をしながらも人のために頑張る父――ぼくも父のように色々な人を助けられるようなかっこいい人になりたいですと書かないとPTAからの評価に関わるだろうがペン貸せと言われてしまったのでこう書きました。そういうところがみみっちいんです。なのでこれはほとんど父の自己評価です。小学生は――(ダッシュ)とか文中で使いません。もう少し自身を客観的に見られる目と、自制心を養ってちゃんと大人になって欲しいです。
ぼくの母はとても優しくて、かわいくて、お料理も上手で、頭もいい素敵な母ですと書きなさいと言われたわけではありませんが、「まぁ、作文の授業? 授業参観、お母さん忙しいけれど頑張って出るわ。楽しみにしているわね」と笑った母があまりにも綺麗で、晴れの日の空のようなものだから、ぼくはこう書かざるを得ませんでした。そうはいいますが、非の打ち所がない母だと思っています。
父と母はぼくのために毎日頑張っています。いつか恩返しができるといいな。どうか長生きしてください。


2017/08/22

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