短編

愛されたがりのライオン


月永レオは笑っていた。わはははは。いつもとなんら変わりない様子で。変わらない姿を演じて。変わらずにいること以外己を強引にでも保つことは不可能そうであったから。
例えるならライオンだ。悠々自適な百獣の王は己の圧倒的な実力にかまけて自らまともなアクションを起こそうとしない。
自分がどこで迷子になっても必ず見つけ出してくれるなまえに甘えて、自分の居場所にかまけて。
月永レオは笑っていた。しかしそれは嘲笑い。彼は自分を嘲っているのだ。
悲しい。悲しいのに、溢れて溢れて止まらない旋律がある。
これは笑える。滑稽だ。

2017/01/??

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