「いいえ、下心ですよ」





※帝光。
※がっつり裏。痴漢ネタ?




人身事故で遅延しているとかで、僕達が乗り込んだ電車は休日だというのに物凄く混み合っていた。
背中にべったり張りつく他人の体温、頬に触れる吐息。心地のいいものではないが、仕方がないことなので我慢する。目的の駅までそう遠いわけでもない。



「赤司くん、大丈夫ですか?」
「まあ…」
「もう少しですから、ね」



僕と大体同じくらいの位置にある頭が、心配そうな声を出す。
今日、僕とテツヤは一緒に出掛けた。電車に乗って数駅の、大きなショッピングモールに行って、広い本屋を見て、食事をして、人混みの中で何度もテツヤを見失って。
こんな風に恋人らしく休日を過ごすのは久しぶりだったから、らしくもなくはしゃいでしまった。帰りの電車に揺られながら、今日の自分を少し反省する。



「という、か、テツヤ」
「はい?」
「ち、近くないか、お前…」
「仕方ないでしょう、背中から押されてるんです。我慢して下さい」



それにしても、近すぎるだろう。僕は心の中でもう一度文句を言う。
テツヤは、まるで僕に寄りかかるように上体をくっつけてきて、更に腕を背中のあたりに回している。まるで抱き合う時のように。
公共の乗り物で、こんな風に恋人と触れあって。どきどきしている僕がいるのも確かだった。信じたくなかったけれど。



「…っや!ちょ、てつ…っ」
「…え?」
「へ、変なとこさわるなっ、ちょ…っうー…っ」
「いや、僕何もしてないんですけど…」
「ば、か!ゃあ、あ…っ」
「……」



腰のあたりに、確かな意思を持った何かが触れる。絶対テツヤだ、テツヤが面白がって僕に触ってるんだ。
でも、やめろと言いながら睨んでも、テツヤは不思議そうに首を傾げるだけ。その間も、腰や太腿を撫でる手は止まらない。(え?テツヤじゃ、ない?)



「……っ!」



テツヤじゃない。ということは、この手は。
(痴漢だ。)そう意識した途端、背中がぞくっと冷たくなった。男の自分がそんな目に合うのは信じられなかったし、テツヤの目の前で知らない奴に触られるなんて絶対に嫌で。



「てつ、や…ぁ…っ…」
「…赤司、くん…?」
「ふ、ゃ…っ!」



ぎゅう。テツヤの服を、爪が食い込むくらいに強く握りしめる。まるで愛撫するように内腿を這うてのひら。気持ち悪い、気持ち悪い。
震えている僕の手を見て、テツヤも事態に気がついてくれたらしい。彼らしくもなくきつく眉を顰めながら、僕の耳元でこう囁いた。



「大丈夫です、次の駅で降りましょう」
「…っぅ、ん…っやぁ…」
「大丈夫ですから」



痴漢のじゃない、優しい手が、背中をそろそろと撫でてくれて。僕は何度も頷いた。
ショッピングモールで何度も見失ってしまうくらい影が薄い癖に、部活でもパス以外はてんで駄目な癖に、時々こんなに頼もしい。
(そんなテツヤだから、僕は。)



「…降りますよ、赤司くん」



滑らかな動きでホームに停車した電車。扉が開いて、テツヤは痛いくらいの力で僕の手首を引っ張る。
人口密度120%の車内から出て、気持ち悪い指の感触からも解放されて、ずんずん進んで行くテツヤの後に半ば放心状態で着いていく。一体何処に行くんだろう。



「テツヤ、何処行くの…っ?」
「トイレです」
「なん、で」
「いいから、着いてきて下さい」



途中下車したこの駅は、何本かの路線が乗り入れる大きな駅で。
テツヤは、改札前の大きな方ではなく、ホームの端の小さなトイレに入って行った。勿論、僕の手を引いたまま。
そして、奥の個室にふたりで入ってカチャンと鍵をかける。テツヤが何をしたいのかさっぱりわからなくて、水色の瞳をじっと見上げると、いきなり抱きしめられた。電車の中よりも、ずっと強く。



「…ごめんなさい」
「え?」
「電車で、ちゃんと守れなくて、ごめんなさい」
「っいや、そんな、テツヤのせいじゃ、」
「男なのに痴漢されてるってバレたら嫌かなとか、いろいろ考えちゃって、勇気が出なくて…赤司くんが辛そうなの、わかっていたのに」



ぽつぽつと呟くテツヤの声の方が余程辛そうで、胸の奥が軋む気がした。
テツヤは悪くないよ。そう主張するように、彼の細い腰に回した腕をぎゅうっと締める。テツヤは全然、悪くない。



「全く…お前が謝る必要なんて、ないんだぞ」
「でも、」
「でもじゃない。それに、ちゃんと頼もしかった。僕のこと、ずっと支えてくれただろう?」
「赤司、く…」
「だから、ありがとうって、言わせてくれ」



僕の背中を包んでいる腕の力が、少し緩んで。正面から向き合ったテツヤは、さっきより穏やかな表情になっていた。
(それを言う為だけに、こんなところまで連れてきて。全く、お前の頑固さには僕が驚くくらいだ。)



「許してくれますか?」
「ああ。というか、そもそも僕は怒ってないよ」
「本当ですか?」
「勿論」
「じゃあ…触っていいですか?」
「うん…って、は!?」
「では、遠慮なく」



にっこり、というか、にやり、というか。
今度はそんないやらしいやり方で唇を釣り上げ、僕の手首をがっと拘束したテツヤ。いきなりのことで、逃げられなかった。
(その前に、触るって、なに、)じたばた暴れても手首を掴んだ腕はびくともしなくて、そのまま蓋を下ろした便座に座らされる。嫌な予感が、した。



「改めて、消毒させて下さい」
「しょ、消毒って…お前、っあ!」
「その為にここに連れてきたんですから」
「っはぁ!?なんで、僕に謝る為じゃ…っ」
「いいえ、下心ですよ。勿論、謝る目的もありましたけど」
「ひ、っやぁ…っあ、てつ、やっ」



つう、と。ズボンの上から性器をなぞられて、全身が大きく震えた。痴漢に太腿を触られたくらいじゃ勃たなかったけど、相手がテツヤとなれば話は別だ。
びくびく震える僕の反応を楽しむように、華奢な指が何度も下腹部を往復する。それだけで体が勝手に興奮するのがわかって、顔が燃えるように熱くなった。



「ぃや、っや、め…っあ、ん、ぁん…ッ!」
「勃ってきましたよ。電車で触られて、興奮してました?」
「っそんなわけ、な…ってつ、てつや、だから…っぁあ…っ」
「…そうですか。安心、しました」
「…ッ!」



まるで花が咲いたみたいに、優しく笑う。水色の髪と瞳の効果もあって、良く晴れた空が笑ってくれたみたいだと思った。
(いきなり態度が変わったテツヤに、騙された、と思った。さっきまで優しかったのにどうして、と憤った。でも。)
卑怯だ。そんな顔されたら、もう、逆らえないよ。



「っも、テツヤの、ばかぁ…」
「ああ、もう足らないですか」
「え…っやぁ!ちょ、ちょっと待…っ」



あっという間にズボンと下着を脱がされて、先端を濡らした性器がふるりと顔を出す。恥ずかしくて咄嗟に目をつむったけど、テツヤが舌舐めずりをした音が聞こえた。



「嫌なんじゃなかったんですか?こんなに濡らしちゃって」
「っ…違、これ、は…っひゃぁあ…ッ」
「これは、なんです?言ってみて下さい」
「ぁ、あっん、ン…ってつ、や、ふぁ…っ!」
「認めれば楽になりますよ。赤司くんは、恥ずかしくても気持ちよくなっちゃう、淫乱なんですよね」



もう、なんでもいいと思った。テツヤの言葉に、表情に、操られるように頷いて、彼の首に腕を回す。早く解放してくれと縋るように。



「っは…さわ、って、もっとして、テツヤぁ…」
「何処を、ですか」
「ぁ、ふ…っぼく、の、ぐちゅぐちゅに、濡れてる…っここぉ…っ」
「ッ…!いつ覚えたんですか、そんな言い方」
「っわ、ちょ…!な、舐めてなんて、言ってな…っひぁあん…っ!」



舐めて、なんて言ってないのに。脚を開きながら一生懸命お願いして、テツヤの白い喉が上下したと思ったら、いきなり咥えられた。
あたたかい粘膜に包まれて、思わず腰が引けてしまう。だけどテツヤはそれを許さなかった。太腿を掴まれて、動けなくて、硬くした舌で先端を抉られて、気持ちよくて気持ちよくて仕方なくて。



「っだ、め…てつ、それだめ…っ!ぁ、んんっ、あん…っ」
「嘘は良くないですよ、ん…」
「ひ、あ…ッや、てつや、なんか、なんかぁ…っ」
「?」
「なめ、かた…えっち、だ…っぁア…!」



僕の性器を舐め回す舌の動きとか、僕を見上げる表情とかが、やたらと艶めかしかったから素直にそう言ったのに。
テツヤは驚いたように目を見開いて、舌の動きを止める。そしてそのまま、性器から口を離してしまった。いきなりなくなった刺激に、驚かされたのは寧ろ僕の方だった。



「っは…てつやぁ…?」
「えっちなのは、赤司くんの方でしょう…っああ、もう!」
「怒った、の?ごめん…」
「駄目です、許さないです。そんなにかわいい君が悪いです」



捲し立てるようにそう言ったと思ったら、今度は奥の入口に触れてきた。
勿論、いずれそこに触れられることはわかっていたのだけれど、射精する寸前の性器を放置されたままじゃ正直辛い。待って、とテツヤの肩を押し返しても、全然聞いてくれなかった。



「ま、って…!そっち、まだぁ…っ」
「イくのはもう少しお預け、です。さっきも言いましたけど、赤司くんが悪いんですよ」
「っは、ふぅ…っなん、で、ぁ、あっ」
「それに、満更でもでもない癖に」
「ひ、やぁあ…ッ!」
「赤司くんは淫乱だから、ナカ弄られるの大好きですもんね」



ぐちゃ、といういやらしい音と共に、華奢な指が奥まで入り込んでくる。その感触に、全身がぞくぞくと震えた。
明るいトイレの個室でしているから、テツヤの指が自分のナカを往復している様が良く見えて、視覚からも欲情する。目が、離せない。



「っあ、はん…っゆび、てつやの、ゆびが…っぐちゃぐちゃ、って…っ」
「見えます?僕の指、付け根まで入ってますよ、ほら」
「んン…っ!あ、っぁ、もっと、も…っ」
「そんな締めつけなくても、すぐあげますから……あ、」



ナカを掻き回していた指の動きが、止まる。何かを思い出したらしいテツヤは、そのまま指を抜いて、鞄の中をごそごそとあさり始めた。
なに?吐息で上擦った声でそう聞くと、彼は低い声で答える。僕、ゴム持ってないです、と。



「赤司くんは…持ってるわけ、ないですよね」
「当たり前、だろ…」
「…困りました」
「っん、いいよ、そのままで…」
「そういうわけいかないでしょう、ここじゃ後処理も出来ないですし…仕方ないですね」



ちょっと買ってきます、と言ってテツヤは鞄を肩にかけ、銀色の鍵に手をかける。
そして、少しだけ扉を開けて誰もいないのを確認すると、悪戯っぽく笑いながらそのまま出て行ってしまった。途端に静かになった個室と、開いた口が塞がらない僕。
ありえない、と思った。こんな、前も後ろもぐちゃぐちゃになった状態で、しかも外で、一人で放置されるなんて。



「っふ、はあ…っ…」



(ばかばか、テツヤの大馬鹿っ!)
心でいくら彼をなじっても、ギリギリのところで止められた体は熱くなるばかりで、呼吸もどんどん浅く速くなっていく。
一人でいる空間はなんだか心もとなくて、涙さえも頬を伝って落ちた、その時だった。



「マジで?」
「おう。でさ、―――がさ…」
「ぶっは!そりゃねーわ!」



白い扉の向こうから聞こえてきた、知らない男の、声。
半分夢の中を漂っていたような意識が一気に現実に引き戻された。
(そうだ、ここは駅で、あまり人が来ない方のトイレだとしても、公共の場であることに変わりはなくて。)
二人連れの男が楽しそうに話している声と、用を足す音がはっきり聞こえる。それなのに、扉一枚隔てただけの場所で、僕は、裸になって、前も後ろも弄られて、こんな風に。



「……っ!」



恥ずかしいはずなのに、腰がぞくぞくして止まらない。僕、こんな状況に欲情してる。
そう思ったらますます我慢出来なくて、汗ばんだ指を恐る恐る脚の間に伸ばした。テツヤに弄られて、既にとろけている入口に指を1本ねじ込んでみる。



「っぁ…!」
「…ん?」
「どーした」
「いや…なんか、奥から声がした気がして」
「あー、誰か入ってんだろ。ドア閉まってんじゃん」



(だめ、だめ、聞こえちゃう。)
思わず出てしまった声が、扉の向こうにまで届いてしまって、やめなくちゃと思うのに、ナカを犯す指が止まってくれない。
は、はっ、と短く呼吸しながら、前屈みになって夢中で粘膜を擦り上げた。その度にちゅくちゅくと響く水音で個室がいっぱいになる。この音も、扉の向こうに聞こえているかも知れない。



「…なんか、おかしくね?」
「ああ…変な音するしな」
「ちょっと、確かめてみっか」



コツコツと近付いてくる靴音。止まらない指先。それどころか、濡れた性器は今にもはち切れそうなくらいに張りつめている。
(ばれちゃう、ばれちゃう…っ!)思えば思う程呼吸が荒くなって、きゅう、ときつく目を閉じた。知らない男の手が、扉を叩こうとする気配がする。



「…あ、やっべもうこんな時間!」
「遅刻遅刻!」



でも、扉は叩かれることなく、二人連れの男は慌ただしくトイレから出ていった。僕はほっと肩を撫で下ろす。
テツヤが戻ってきたのは、男達が出ていったほんの数秒後だった。戻りました、と言いながら静かに中に入ってくる姿を見て、涙が零れた。離れていたのは数分だったというのに。



「さっき、誰か入ってたみたいですけど…平気でしたか?」
「そんなこと、言うなら…っ放っておくな、馬鹿!」
「すみません。…あ、でも赤司くん、一人で楽しんでたみたいじゃないですか」



ナカに入ったままだった僕の右手を見て、テツヤがにやりと笑う。そんな表情にさえときめいてしまう自分にほとほと呆れてしまった。
これ以上焦らされるのは勘弁だったから、ナカから指を一気に引き抜いて両腕でテツヤに抱きつく。一人で触ってたって意味なんかない。(お前じゃ、ないと、)



「テツヤ、が、いなかったから…っ」
「え…?」
「お前じゃ、ないと、お前がいないと、意味ないのに…っ」
「…はい、寂しい思いさせて、すみませんでした」
「ふ…っ」



瞼や前髪に優しくキスされて、体中の力が抜けていく気がした。テツヤのキスも、指先も、全部全部大好き。
目を閉じて彼の唇に酔っていたら、カチャカチャとベルトを外す音が耳に飛び込んでくる。その音が意味するもの、なんて、考えるまでもない。



「赤司くん、これ、お願い出来ますか」
「ん…」



これ、と言って手渡されたのは白いビニール袋。中には、買ったばかりのコンドームが入っていた。
僕は素直に頷いて、小さな箱の中から薄いピンク色のそれをひとつ取り出す。勿論、テツヤに付けてあげる為だ。



「…すごい、てつや、こんなに大きくなってる…」
「っちょ、赤司く…!」



ベルトを外したズボンと下着をずらして、大きく成長しているそれを取り出した。見ているだけでぞくぞくする。
コンドームを付ける為に触ったわけだけど、どうしても我慢出来なくて。僕は体を屈めて、濃く色づいた性器の先端をぺろりと舐めた。テツヤの体が大きく震える。ちょっと、かわいい。



「あ、またおっきくなった…気持ちいい?ぼくの、舌」
「っそ、そういうのいいですからっ、早く付けて下さい!」
「…ふ、何焦ってるの?かわいいな、お前は」
「〜…っだから、かわいいのはどっちですか…っ」



テツヤを上目遣いで見つめながら、最後にぢゅう、と先を吸い上げて顔を離す。唇に広がる苦味でさえ愛しかった。
歯で包みを破いたコンドームを付けてあげて、ゆっくりと後ろを向く。タンクにしがみつくように手をついて、腰を高く上げた。



「バックが好きなんですか?」
「だって、ここじゃ、この格好が一番…っひ、やぁあ…!」
「っは…お望み通り、乱暴に犯してあげますね」



(赤司くんの、一番奥まで。)鼓膜に注ぎ込まれた声にまで感じて、ナカに押し入ってきたテツヤを思い切り締めつけてしまった。熱い。その熱ささえも心地がいい。
奪って、犯して、僕の全部を、テツヤのものにしてしまっても構わないから。



「っひゃ、ぁん…っあ、あっ、や…っ!」
「ッ…もう少し、力、抜いて」
「ぁ、あ…っだ、ったら、もっと、ゆっくり…はあ…っ」
「それで物足りないのは、君の方でしょう…っほら、ココ」
「ぁんンっ!や、だめ…っそこ、いやっ、あ、テツヤぁ…っ!」



テツヤの手が僕の腰を掴んで、前立腺をぐりぐりと抉る。堪らなかった。
ここが駅だということも、誰かに聞かれてしまうかもということも、全部全部熱に浮かされて消えていく。僕の中にあるのは、テツヤの声と温度だけ。



「あっぁ、は…っや、てつ、や…っぼく…」
「ん…なんです?もっと奥、ですか」
「っひゃう…!あ、ぼく、はぁ…っ僕は、お前のもの、だから…っ」
「は…?」
「電車、で、あんなこと、されたけど…っでも、っからだ、も、心も全部…っテツヤ、の、」
「ッ…わかってますよ、そんなの」
「あァ…っあ、っひぁ、だめ、も、もぉいっちゃ…!」
「嫌だって言っても、もう、遅いです」



(だって愛してますから、赤司くんのこと。)そんな、極上の口説き文句と共に奥を突かれて、堪らずテツヤの手の中に射精した。
そのすぐ後にテツヤも僕のナカに吐き出して、ゴムの薄膜越しに熱い飛沫の感触を味わう。
僕の全てがテツヤのものだというのなら、この感触も、吐息も、言葉も、お前の全ては僕もものだ。そうじゃないとフェアじゃないだろう?



「消毒完了、ですね」
「…まだ、」
「え?」
「ここが、まだだ、テツヤ」



はあはあと荒く呼吸をしながら、唾液塗れの唇を指差す。セックスはしたのにキスはしないなんて、悪いけど僕は認めないから。



「…そうでした、すみません」
「んっ…てつや、好き…」
「知ってます」
「テツヤ、も?」
「さあ、どうですかね」
「…ばか」
「冗談です。さっきも言ったでしょう?」



世界で一番愛してますよ。
その言葉が欲しくて、何度も何度もキスをねだってしまうどうしようもない僕を。
(これからもずっと、離さないでいて。)









◆◆◆

オチがミスディレクション。




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