今日は、クラスメイトの煉獄杏寿郎の誕生日。

 杏寿郎と私は、同級生としてこのキメツ学園に入学してからの三年間、偶然にも同じクラスだった。
 単純明快な性格をしている杏寿郎とは一年生の頃から何かと気が合い、何の話がきっかけだったかは忘れてしまったけれど、すぐに意気投合したのを覚えている。この三年間、杏寿郎は私にとって誰よりも良き友人だった。
 思えば、一年生の頃から今日まで、それこそ数え切れないほど二人で色んな所へ足を運んだ。ウインドウショッピングも、パフェを食べに行くのも、好きな映画のシリーズ最新作を観に行くのも、それこそどこへ行くにも彼を連れ回していたような気がする。
 出会った頃はまだ16歳そこそこだった私たちだが、杏寿郎は当時から思春期の男子であることを感じさせない物言いや佇まいをしていて、私はそんな杏寿郎といて安心できたし、共通の時間を過ごすこと自体が心地良かった。……それは私だけでなく、きっと杏寿郎も同じように感じてくれていたのだと思いたい。
 すっかり慣れ親しんだ私と杏寿郎は、性別という壁を越えて、多少込み入った話も気軽に言い合えちゃうような――そんな交友関係を続けてこれたと思う。なんてことない話で盛り上がったり、二人で一緒に出かけたりするのは面白かったし、私に好きな人ができた時なんかは恋愛に疎い杏寿郎なりに色々とアドバイスをくれたりもして、この三年間を思い返すと、本当に良い友達を持ったなーなんてしみじみ感じることができる。
 しかし、良き友に恵まれた高校生活も、もうじき『卒業』という形で終わりを迎えてしまう。
 だからこそ、感謝の気持ちも込めて今日というこの日に杏寿郎へプレゼントを贈ろうと、私は数ヶ月前から密かに計画を練っていた。
 ところが、杏寿郎の欲しい物をさり気なくリサーチするも、特に目立った反応を得ることはできず。「サプライズでプレゼントを渡そう!」――そう思っていた私の計画は、つまるところ昨日の時点で失敗に終わったのだ。
 ならば、もうこれは本人に直接聞いてみるしかないだろう。今朝の私はそう思い立つや否や、朝食もそこそこに、駆け足で家を後にしたのである。

「というわけで、ベストフレンドのなまえちゃんが杏寿郎くんに好きなものを買って差し上げましょう!」
「いつも金欠だと嘆いている君が、そんなことを言ってくるとは珍しいな!」
「ふっふっふっ。いっぱいバイトしてお金を貯めていた私に怖いものなんかない」

 現在は、昼休みの時刻。
 自席で昼食をとっている杏寿郎の前の席が丁度空いていたので、「これは絶好のチャンスだ」と思った私は、ひとまず休み時間の間だけその席を拝借することにした。自分の昼食を杏寿郎の机にどん、と置いて、前の席の椅子をくるりと杏寿郎の方へ向けて座る。
 何の声掛けも無しに堂々と目の前に腰を下ろしただけでなく、唐突にプレゼントの話題を持ち掛ける私に、杏寿郎はもごもごとパンを口に含みながら首を傾げた。

「それで、何が“というわけで”なんだ? もしや、俺の誕生日だからということだろうか」
「そうそう、察しがいいね。誕生日おめでとう!」
「ありがとう!」
「で? 何が欲しい?」
「気持ちは嬉しいが、そんな気を遣ってもらわなくても大丈夫だぞ」
「私がそんな気を遣うように見える?」
「見えないな!」
「そこは一応否定して」

 杏寿郎の即答に、思わず私は眉を寄せる。スピード感のあるツッコミが面白かったのか、杏寿郎はパンを片手に肩を揺らして笑っていた。
 どうやらツボにはまったようで、杏寿郎はなかなか笑うことを止めようとしない。私は自身の昼食であるサンドウィッチを大袈裟な動作で頬張りながら、何がそんなに可笑しいのかと杏寿郎に抗議の目を向ける。
 じとりとした私の視線に気がついた杏寿郎は、相変わらず笑みを含んだ表情のまま「すまない。つい、なまえの気持ちが嬉しくてな」と言葉だけの謝罪を述べた。何だか馬鹿にされたような気がしないでもないが、プレゼントを贈りたいという私の提案については、どうやら喜んでくれているらしい。そう思うと、揶揄われて腹立たしいという気持ちよりも、純粋に嬉しいという気持ちのほうが勝ってしまうのが私という人間である。
 このような時にポーカーフェイスを気取ることができない私は、嬉しさのあまりニヤニヤと含み笑いを隠せずにいた。しかし、対する杏寿郎はというと、私の笑みに反比例するように、少しずつ表情を曇らせてゆく。

「……え……。どうしたの」
「……」

 違和感だらけのその様子に、私の含み笑いもすっと消え失せた。冗談まじりに「そのパン、あんまり美味しくなかったの?」と小声で問い掛けてはみたものの、杏寿郎は困ったように眉を下げるだけだった。
 困惑しながらも、私はじっと杏寿郎の反応を待つ。しかし、そんな私の視界から逃れるかのように、ついに目線を逸らされてしまった。遠慮がちに伏せられた杏寿郎の瞼を見つめながら、私は行き場のない不安に襲われていた。
 これまで見たことがないような複雑な表情の杏寿郎を前に、次に返ってくるであろう言葉をいくつも思い浮かべては、不安の波に飲み込まれそうになる。ところが、実際に杏寿郎から発せられた言葉は、私の予想の範囲を超えた内容だった。

「やっぱり、なまえと話していると元気が出る」

 思いもよらない杏寿郎の発言に、私は首を傾げる。

「へ……何それ。杏寿郎、元気なかったの」
「そんなことはない。俺は元気いっぱいだ」
「いやいやいや。元気いっぱいな人がそんなこと呟かないでしょ」
「本当に元気だぞ。……ただ、最近考え事が増えてしまった。そんなタイミングで君から話しかけられて、良い意味で気が抜けたということだ」

 「考え事って?」と尋ねてみても、杏寿郎は煌々と輝く目を伏せて、手元に残ったパンを頬張るだけだった。
 私もサンドウィッチを口に運びつつ、目の前の杏寿郎の顔を見つめていると、ふと、その顔が出会った頃よりも少し大人びていることに気がつく。……一緒にいる時間が長いせいだろうか。今の今まで、その変化に気付くことができなかった。
 いつの間にか『青年』から『成年』へ移り変わろうとしている杏寿郎の顔つきを目にして、私はいっそう寂しさを覚えた。
 何だろう――共に過ごした高校生活の思い出を置き去りにして、杏寿郎がどこかへ行ってしまいそうな、そんな漠然としたイメージが頭の中に押し寄せてきて、胸が苦しくなる。
 私は持参したペットボトルのお茶を掴み取ると、胸の苦しさを紛らわせるかのように、ごくごくと一気に喉に流し込む。

「っぷはー」
「良い飲みっぷりだな!」
「ちょっと。そんなことはどうでもいいから。考え事って何なのか教えてよ」
「……」
「杏寿郎くーん、聞こえてますかー」
「……あと一年も経たずに卒業かと、そんなことばかり考えてしまっている」
「!」

 普段よりも落ち着いた声のトーンで、独り言つように杏寿郎は言った。その言葉に、杏寿郎が私と同じように“高校生活の終わり”について考えているのだと理解する。
 彼の表情は固く、心なしか寂しそうにも見えた。どんな事柄に対しても前向きに考える杏寿郎ではあるが、高校卒業ともなると、やはり思うところがあるのだろうか。
 高校を卒業すれば、言わずもがな皆の進路はバラバラになる。勿論、それは杏寿郎と私も例外ではない。杏寿郎は教師を目指すために、教育学部のある大学への進学を目標としているので、私とは専攻が違う。進学先が別々の大学となることは、ほぼ間違いないと言えるだろう。

 何年前のことだったか。母から言われた言葉を思い出す。

「大人になると、嫌でも背負うものが増えていくから。今のうちに楽しんでおきなさいよ」

 母はそう言って、揶揄うように笑っていた。
 当時は「はいはい」なんて言いながら聞き流していたけれど、今になって、その言葉の真意がわかったような気がする。
 あと数年もすれば、私たちは成人する。社会へ足を踏み入れ、時が経つほどに、学び舎で刻まれた記憶は遠くなり、薄れてゆくのかもしれないと思うと、何だかとても遣る瀬無い気持ちになる。
 この学園で過ごした時代の無邪気な楽しさも、カーテン越しに太陽で照らされた教室の色合いも、体育館の床と靴の裏が擦れたときの音も、風で舞った校庭の砂で目を痛めたことも――全部、大人になるにつれて忘れていってしまうのだろうか。

 捉えようのない感情が、浮かんでは消える。それでも、杏寿郎を含めたクラスメイトの皆が思いを巡らせている様子を見ていると、自分だけが名残惜しさを感じているわけではないのだと、少しだけ勇気づけられる。
 「あと少しで卒業しちゃうからこそ、私は杏寿郎にプレゼントをあげたいと思ってるんだけど」と、私は杏寿郎に向けて精一杯の笑顔を浮かべた。

「今日の放課後、暇? 一緒にお買い物行こ!」
「…………」
「杏寿郎?」
「ああ、わかった!」
「え、今の間は何?」
「何でもない!」
「……なーんか今日の杏寿郎、違和感があるなぁ」

 じっとりと怪しむような目線を杏寿郎に向ける。
 しかし、杏寿郎は顔色を変えることなく、ふるふると左右に首を振った。

「君の気にしすぎだと思うぞ」
「……うーん……」
「……」
「……まぁいいや。じゃあ放課後ね!」

 杏寿郎の煮え切らない返事を気に留めつつも、昼休みの終了を告げる予鈴が教室に鳴り響いたので、私は会話を終わらせる。
 杏寿郎は空になったパンの包装を綺麗に折り畳みながら、黙ってこくりと頷いた。
 当の本人と一緒に誕生日プレゼントを買いに行くとなれば、まず間違ったチョイスをすることはないだろうと、私は安堵する。あとは本人が好きなものを選ぶまで、とことんショッピングに付き合うだけである。
 サプライズという演出に拘って苦戦していた昨日までとは打って変わって、杏寿郎の好きなものを渡せるという確信を得た私は、内心張り切っていた。

(どうせなら大学進学後も使えるような、とびっきりのプレゼントを買ってあげよう!)

 友人代表として、絶対に思い出に残るようなプレゼントを渡す! という確固たる決意を胸に、改めて気合いを入れるべく、私は拳を固く握り締めた。

◇ ◇ ◇

「あっ、ねぇねぇ、これは? レザーのペンケースだって! お洒落じゃない?」
「それも良いな!」

 杏寿郎にとびっきりのプレゼントを! そう意気込んだものの、プレゼント選びは思った以上に難航していた。
 放課後、電車を乗り継いで街中まで出てきた私たちは、手当たり次第に気になる店を見て回っていた。雑貨屋、服屋、スポーツ用品店、家電用品店、セレクトショップ……等、とにかく沢山の店に入り、杏寿郎の反応を伺う。
 しかし、あれはこれはと色々提案してみるものの、杏寿郎としてはどの商品もしっくりこないらしい。「良いな!」「使えそうだな!」と肯定的な反応は返ってくるのだが、どれもこれも『欲しいもの』ではないようで、購入には至らない。

「もー、日が暮れちゃうじゃない。杏寿郎には物欲ってものが無いの?」

 休憩がてら立ち寄ったコンビニで飲み物を買って、二人並んで外のベンチに腰を下ろす。ぐるぐると街中を歩き回った疲労も重なって、ついに痺れを切らした私は、面と向かって杏寿郎に尋ねてみるのだった。
 店の数で言えば十数件は見て回れたというのに、なかなか良い反応を示さない杏寿郎。それこそ、杏寿郎には物欲が無いのでは? と考えたほうが自然なくらいに。
 まさかこの後に及んで私に遠慮しているのだろうかと、頭の片隅にそんな考えが浮かんだりもしたけれど、杏寿郎の顔を見る限り、遠慮しているような様子はない。
 相変わらず何かを考え込んでいるような、そんな様子はあるけれど。

「確かに、物欲はあまり無いかもしれない」

 杏寿郎は困ったように眉を下げ、口元だけで笑みを作った。そんな杏寿郎の態度に、私はむっと顔を顰める。
 今日のこの日のために、私はバイトの出勤日数を増やし、大好きなお菓子も我慢して、コツコツお金を貯めていたのだ。全て私が勝手に実行したことだから、押し付けがましいと言われてしまえばそれまでだけれど、杏寿郎なら喜んでくれると思えたからこそ頑張れた。それなのに、肝心の杏寿郎はうわの空だし、挙げ句の果てに作り笑いを見せられる始末。
 悲しいような悔しいような、形容し難い感情が首をもたげて、思わずペットボトルを掴む手にぎゅっと力を込める。べこ、と音を立ててへこんだプラスチックをぼんやり見つめながら、私は声を絞り出す。

「もしかして、迷惑だった?」
「何を言っているんだ。そんなわけないだろう」
「じゃあ、本当に欲しいものがないってこと?」
「いや……」

 数秒の間、杏寿郎は口をつぐむ。

「その、気持ちは嬉しいのだが」
「だが? ……何?」
「……」
「……じゃあもうさ、何でもいいから思いつくもの言ってみてよ」
「……」
「何かないの? ほら、服とか靴とか、ゲームとかさあ……」

 我ながら雑な物言いで、ぱっと思いつく限りの『高校生の男子が欲しがりそうなもの』を挙げていく。呆れたように空を仰ぐ私を横目に、杏寿郎は何かを考えるような素振りを見せている。
 私も杏寿郎も黙り込んでしまい、二人の間に沈黙が流れる。ぼんやりと見つめた茜色の空から、カァ、カァ、と烏の鳴き声だけが響いていた。
 これ以上問い詰めたところで、杏寿郎から欲しいものを聞き出すことはできないのではないだろうか。誕生日当日にプレゼントを渡したい、というのが本心だけれど、残念なことにお店の閉店時間もすぐそこまで迫ってきている。今日のところはもう諦めようと、私が「帰ろっか」と声を掛けようとした、その時。
 ようやく、杏寿郎が口を開いた。

「それなら、俺はなまえがいい」
「ふーん」
「……。間に受けていないな」
「あのねー、私は真剣に聞いてるの!」
「俺だって真剣に言っている」

 ぴり、と空気を震わせるような杏寿郎の声に、私は空を仰いだまま目を見開く。
 私が思わず「え、」と声を漏らすのとほぼ同時に、杏寿郎はびっくりするくらいの大きな声で「なまえが好きだ!」と言い放った。
 出し抜けに訪れた展開に、上向きだった頭を慌てて降り下ろすと、反動でぐわりと視界が揺れる。

「ちょっ……! こ、こえ! 大きくない?!」
「こうでもしないと、君は信じてくれないだろう」

 視界に頼らずとも、通りすがりの人達からチラチラと視線が注がれているのを感じる。
 冗談でしょ? という意味を込めて苦笑いを浮かべてみたけれど、ようやく安定した視界で捉えた杏寿郎の表情は、先ほどまでうわの空だった様子が嘘であるかのように、真剣そのものである。
 苦し紛れに「またまたぁ〜あはは」だなんて笑い飛ばしてしまおうかとも思ったけれど、杏寿郎の目力にすっかり押し負けている私に、そんなことができるはずもなく。蛇に睨まれた蛙のように硬直したまま、私はもの凄い勢いで汗を噴き出すしかなかった。

「い、……いつから?」
「そうだな、昨年の初めくらいからだろうか」
「そんな素振り全然なかったじゃない!」
「その頃、君には好いている相手がいたからな」
「……割とすぐに冷めちゃったけどね」
「そうだな」
「じゃあなんで親身にアドバイスしてくれたりしたわけ」
「それは……そうするしかないだろう。そんな中、俺は絶賛片思い中だったということだ」

 予想だにしない激白の数々に圧倒されて、私は口を半開きにしたまま何も言えなくなる。だって、本当に、これまで一度も杏寿郎がそんな素振りを見せたことなんてなかったはずだ。
 でも、杏寿郎が言っていることが事実だとすると、全ての辻褄が合う。まさか、この数年の間に杏寿郎が彼女を作ろうとしなかった理由も、単に『恋愛に疎いから』ではなかったというのか。
 ――そこまで思考を巡らせて、私ははっとする。

(もしかして杏寿郎が言ってた“考え事”って、卒業自体に対するものじゃなくて……)

 混乱した頭で、必死に状況を整理する。ところが、いくら考えても「そんなロマンチックな展開が本当に自分に起こり得るのか」と疑念が浮かび上がるばかりで、動揺を抑えることができない。
 不意に、杏寿郎の手が私の頬に触れる。びくりと身体が大きく跳ねて、「ひぇ」と間抜けな声が漏れた。

「……俺と付き合ってくれ、なまえ」
「!!」
「プレゼントはそれが良い」

 まさに、ドが付くほどのストレートな告白だと思った。まるで太陽のように輝く瞳に捕らわれて、私は杏寿郎から目を逸らすことができない。思わず息をすることを忘れるほどに、杏寿郎の瞳に釘付けになってしまう。
 酸素を求めるように、薄く唇を開く。そうしてようやく私は、声を震わせながらも「わたしでいいの」と言葉を発することができた。
 杏寿郎は一瞬だけ目を丸くした後、すぐにいつもの凛々しい笑顔を覗かせる。

「勿論だ。高校を卒業しても、俺と一緒にいてほしい」
「……っ」

 血液が沸騰しているではと錯覚するほどの勢いで、顔に熱が集中する。
 一切恥じらいがないところが杏寿郎らしいと言えばらしいけれど、高校生らしからぬ告白の台詞に、既に私は根負けしそうな状態である。それでも、熱烈な告白に対してだんまりは宜しくないだろうと、私は口を開く。

「――きょうじゅろ、」
「それにしても、まさかなまえからこんな最高の誕生日プレゼントを貰えるとは」
「え?」
「卒業する前に、この思いを君に伝えることができて良かった! 末永くよろしく頼む!」
「いや私まだ告白の返事してないからね」
「安心しろ! 生涯君に苦労はさせない!」
「……え、何それプロポーズ?」

 反論をしようにも、杏寿郎があまりにも嬉しそうな表情で私を見るものだから、キラキラと眩しいその表情にぐうの音も出なくなる。その上、喜びを顔にみなぎらせている杏寿郎を前にして、不覚にも「可愛いな……」なんて思ってしまった私のほうが、形勢不利であることは明らかである。
 そもそも、高校生らしからぬ告白と、感情をあらわにした青年らしい素直な態度を駆使してくるような男を相手に、初めから勝機なんて無かったのかもしれない。今日の私に唯一功績があったとすれば、杏寿郎が『欲しいもの』を言いあぐねていた理由を聞き出せたことくらいではないだろうか。
 こうなれば意地でも杏寿郎の誕生日に爪痕を残したくなった私は、今日のプレゼント(仮)とはまた別に、後日改めてプレゼントを買いに行くことを心に決めるのだった。


きみが隣にいる未来しか見えない

Thanks Suiren , 403 ERROR
2021.05.10 煉獄さんHappy Birthday!
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