大きくなったロラサン
家出編@



「ローランサンっ!」

「うわあ何だか嫌な予感がする笑顔!」

「あのさ、近所のマダムにいらないって貰ったドレスがさ、」

「ドレスが?」

「ちょっと寸法直したら今のお前でもいけるから、明日の下見パーティーはお前が女装な!」

「…俺そういえば風邪ひいてた。熱でた。だから女装無理…!」

「何度だ」

「えー、と。多分37と点5くらい」

「…37.5℃前後」

「そうそう」

「因みにお前の平熱は何度?」

「……」

「…サン…」

「……」

「…平熱の意味も知らないのかこの馬鹿め」

「それくらい知ってる!!」

「なら教えてもらおうじゃないか」

「ぁ…。う、さ、36度…」

「36度?」

「より少し高いくらいですごめんなさい嘘ついたの謝るからそんな目で見ないでください!」

「……は?別に普通なつもりだけど」

「(う、上目遣いやばいからやめて、って言ったら怒るんだろうなー…。まつげぱっさぱさだし。ぱっさぱさ)」

「おーい。微妙に体温上がっただけで顔赤くなってるローランサンさーん」

「何だよ俺より身長低くなったイヴェールさん」

「いきなり意識飛ばすのやめてくれないか。この子ども体温野郎」

「意識飛ばしてない。イヴェケチ」

「どこでケチが出てきたんだよ。図体でかくなった分語力まで筋肉に侵されたか?」

「……ああ言」

「えばそう言い始めたのはお前からだろ。僕は会話にウィットを効かせただけだし」

「………」

「……」

「………、せ」

「?」

「どうせ俺はお前に口なんかで勝てねぇよイヴェールのあほ!家出してやるーっ!!」

「あ、ちょ、待!」









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