君愛し
俺には、小さい頃からずっと一緒にいた幼馴染みがいる。あいつはいつだって俺の傍から離れることはなかった。俺よりも小さくて細い身体のあいつは、危なっかしくて目を離せなかった。同い年だけど妹のように、毎日2人で遊んでいた。
いつからだろうか?
あいつのことをそんな風に思えなくなってしまったのは。
小学6年になったある日、あいつは神奈川へ引っ越してしまった。。ずっと一緒にいたのに、離ればなれになった俺達。心にぽっかりと穴が空いてしまったみたいだった。
でも、今は……
『おはよう、雅治』
「おはようさん、名前」
部活の朝練を終えて教室に入った俺に声をかけたのは、小学6年の時に離ればなれになった、幼馴染みの名前。俺は小学校卒業と同時に神奈川へ引っ越した。そして立海大附属中学へ入学。
そこで名前と再会した。
それから2年。俺と名前は幼馴染みのまま。まだ俺の気持ちを伝えることは出来ていない。
でも、それだけで十分だ。
彼女とずっと一緒にいられるのなら何だっていい。
もう離れていかないで
誰よりも何よりも、
君を愛しているから
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あたしには、小さい頃からずっと一緒にいた幼馴染みがいる。彼はいつだってあたしの傍にいてくれた。あたしよりも背の高い彼は、しっかりしていて頼りになった。同い年だけど兄のように、毎日2人で遊んでいた。
いつからだろうか?
彼のことをそんな風に思えなくなってしまったのは。
小学6年になったある日、あたしは神奈川へ引っ越すことになった。ずっと一緒にいたのに、離ればなれになったあたし達。心にぽっかりと穴が空いてしまったみたいだった。
でも、今は……
『おはよう、雅治』
「おはようさん、名前」
教室で読書をしていたあたしが声をかけたのは、小学6年の時に離ればなれになった、幼馴染みの雅治。あたしは神奈川へ引っ越した一年後、立海大附属中学へ入学。
そこで雅治と再会した。
それから2年。あたしと雅治は幼馴染みのまま。まだあたしの気持ちを伝えることは出来ていなかった。
でもいいんだ、このままだって。
彼とずっと一緒にいられるのなら何だっていい。
ずっと傍にいて
誰よりも何よりも、
君を愛しているから―――――
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