俺と僕とそれから | ナノ


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「るせぇ、黙秘権ねぇっつったの謙也だろ?次読め、次。」

「…投稿者名【leaf】さん、【立海ではどんな感じ?】」

「どんな感じ…ここに来た瞬間みたいな感じが毎日?後は…学校行って、さぼって、帰って、ケンカ。あ、時々幸村のお見舞いに行ってる。」

「不良…。」

「今更。」

「次や、次【ころん】さん【好きな食べ物とか、あと好きなタイプってどうですか?】」

「あー…好きなタイプはもう言った。好きな食べ物は肉。」

「肉か…。」

「おぉ、仁王とよく食い行くんだ。あいついつもは小食のくせに肉になったらやべぇの!」

「…それは友哉もちゃうか?まぁええわ、【ゆう】さん【謙也君は本当にヘタレですか?】なんやて!?」

「あぁ、ヘタレだ、ものすごく。ピンチになったら神頼みだぜ?」

「しょうがないやん!あんときは!…次いこ…【米粉パン】さん【おにぎりにつける海苔はしっとり派?ぱりぱり派?】」

「あー?…パリパリ派、さらに焼き海苔派。昔よコンビニで、焼海苔かと思って買ったおにぎりが…味付き海苔で、手がベタベタしたあの絶望感は…ない。」

「…なんや、その小さいこだわりは…。次やー【渚】さん【つい見てしまう女子のクセとか体の部位とかありますか?】…これ女子か男子か?質問者…。」

「クセー…は、こう…髪を耳にかける仕草で、体の部位は胸。」

「漢や…。」

((でも童貞ー!))

「ゴラァ!外野ぁぁああ!のめすぞゴルアァアアア!」

「落ち着ぃ!次行くから、な!【07】さん【彼女いますか?】すみませんでした。」

「いねぇーよ!欲しいよ!07さん俺の彼女になんねぇ!?」

「すまんかった。次や【輝雪】さん【守本君はよくテニス部といますがお互いをどう思ってるのですか?】俺は友哉のことは恩人や、思うとる。」

「謙也はー、俺の友達で優しい奴。」

「これ、もう友哉のテニス部に対する印象言っていきや。他のメンツ居らんし。」

「だな。財前は俺の舎弟。可愛い奴だぜ?白石は……もう一回ぐらい殴りたい。千歳は、一緒にさぼってみたい。金色は、見てて楽しい。一氏は、…金色取らねぇっつってんのにつっかかってくるから一回しめておこうと思う。金太は、ちょろちょろして面白い。小石川は、転校初日で道案内してくれたいい奴。石田は…ジャッカルっぽい。」

「ジャッカル…あ、自分。髪型だけ見て言っとるやろそれ。」

「おう。」

「…最後の質問や、投稿者名【ペクソク】さん。おもろい名前やな。えーっと【関東に居た時、血塗れた喧嘩人形[ブラッディーマリオネット]という異名を持っていたようですが……自分から名乗ったことはありますか?】……やて…?」

「なッ!?なんでこいつその名前知ってんだ!?ちょっ、今のカット!カットで!」

「無理や!コレ生放送やもん!」

「謙也テメェ!なんて言うもん読んでくれた!」

「堪忍ッ!あ、もうこんな時間や。そろそろ五時間目が始まんねんでぇ!」

「ゴラァ!テメェ話反らしてんじゃねーぞ、ぁあ?[ピーッ]してやろうかぁあ!?」

「コラ友哉、放送禁止用語言わんの!じゃ、今日のお昼の放送はここまでや!明日も放送聞いてくれるかな?」

(((いいともー!)))

「うわ!?」

校舎から響いてくる声掛け。ここがノリがいい関西の学校だと言うことを思い知らされた。

「さて、クラスに帰ろうか。」

「お、おぉ。」

そして廊下を歩いて教室に戻る。教室に戻るまでもたくさんの人に声をかけられた。ときおり例のあの異名も聞こえた気もするが、聞こえなかったことにした。

「良かったやん、ホンマ人気者になれて。」

「そうだな、同じくして言われたくもねぇ名前を全校生徒に知られやがった、チッ。誰だあのペクソクとかいう奴。昨日居た舎弟の中に四天宝寺の奴がいたのか?」

「読んだ俺も悪かった…ネームの面白さで内容ろくに見んと言ってしもうて…。」

謙也が立ち止まりシュン…と顔を下に向けた。

「や、謙也のせいじゃねぇって、な?気を落とすなよ。」

そんな謙也のことを気遣って友哉は謙也に近づいてそっと頬に手を添えた。

「友哉ッ!自分めっちゃ優しいなぁ!」


「「「キャーッ!」」」

「「は?」」

二人のやり取りをたまたま見ていた女生徒が黄色い奇声をあげた。そしてすぐに姿を消した。

「…なんだったんだ?今の…。」

「さぁ?あ、予鈴が鳴ってまう。クラスに戻らんと!」

と言ってクラスに戻ると白石がにやけた笑いで二人を出迎えた。

「お疲れさん。俺の質問読んでくれてありがとな謙也。」

「は?白石出しとったんか?」

「おん、ペクソクいう名前でな。」

「ぁあ!?テメェか!あのメール!」

「せやー、ホンマ読んでくれるとは思わんかったわぁ。」

「っざけんな!おま、俺が昨日あれほどッ!」

キーンコーンカーンコーン―――

「あぁ、本鈴が鳴ってもたな。」

「チクショーッ!」

あのメールの正体は白石からの嫌がらせであったことが判明。のちに白石をフルボッコにしようとして校内を走り回ったことはいい思い出である。

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