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「あ、ねぇ成実。僕が一番はじめに言った台詞覚えてる?」 富布里が去って少し経過。 成実が公演に向けての舞を一人自主練をしていたら、付き添っていた滝が思い出したかのように聞いてきた。 「あー?……ワリ、覚えてねぇ。台本覚えるので手一杯だわ。で、何?」 「トリップ娘達が来た暁には立海も巻き込んでって言ったよね?まぁ、僕も忘れてたけど。色々なことが有りすぎて。」 「…あぁ!確かに言ってたな!ワリ、忘れてたわ。じゃー次来る奴の時に立海も巻き込むか。」 成実はもっと忘れていたようで滝の指摘で思い出したようだ。動きを止めて滝と向かい合った。 「立海に直接転校させてくれる?」 「んな馬鹿な。氷帝生徒になってもらうに決まってんだろ。じゃねーと俺の楽しみが無くなるじゃねーか。」 「…じゃあどうするのさ。」 「んー…練習試合を週末に組んで…。」 「それ、苦しみ少なくない?」 「まぁ…でも、俺が立海に居たときに苦しんだのはあっちだと言う事を忘れずに。」 「………自主練だからってトレパンで練習しないでよ。実に滑稽だよ。」 「分が悪くなったからって悪態を付くな。つかたかだか一時間程度の練習で着物を着付けられっか。畳むの面倒くさい。」 「頭首様ー。」 「流石にそれは理不尽だから。」 「…で?次に来る奴は何時来て、どんな奴なの。」 「んー?もう聞いちゃう?来週の頭だよ。富布里から丁度良いくらいの時間は空いただろ。名前は玖城瑠華。転入クラスは忍足のクラス。んでパーソナリティはクールぶってるミーハー娘。性格はー…あ、今流行りのツンデレなのだよ。でー、特典は…美人、スタイルよく、戸籍などだな。あー、戸籍…そう言えば富布里の時にそれ使って揺すれば良かった。あいつ持ってなかったはずだし。」 最後の方は、独り言である。 「…面倒くさい奴が来ることは把握したよ。」 「多分富布里面倒くさいかもな。ツンデレな分…。あ、そうだ。玖城の外見どんなのが良い?」 「それ僕達が決めれるの?」 「うん。富布里のあの顔面プロデュースはこの俺よ。」 意外な事実が発覚した。あのサーモンピンクのツインてまで成実プロデュースだったなんて。確かに富布里の外見についてはベタ褒めしてあたから自分の好みに合わせていたと思えば当たり前か。 「うわ…成実ってロリコンだったんだ…。」 「違う違う。俺が変えたのは整った顔とサーモンピンクの髪色だけ。身長とツインテールは富布里の意志。って言うか、元の世界でも身長は小さかったんじゃねぇの?俺が設定できたのは特典であるキュートフェイスとヘアカラーだけだ。」 「ショッキングピンクじゃないのは良心?」 「いんや、俺の目の健康のため。」 毎日会うならそれくらいはしないと目に大ダメージを食らう。よって目に優しいピンク色にしたのだ。 「あぁ…じゃあ今回は俺の意志で大丈夫なの?」 「俺前回やったし、滝も楽しめって。」 「分かった。」 そう返事して滝は自分の思う美人顔を想像し始めた。美人ときたらテレビでよく見かける女優だとか、アイドルだとかモデルだとかそういったものを参考にすれば直ぐに考えつくだろうと成実は思い、滝の答えを待っていたが、滝からその答えが直ぐに出てくることはなかった。そして短く唸ったあと、滝は成実に相談した。 「うーん…。」 「どした?」 「どうしよう…僕テレビ見ないから美人顔って言ったら跡部とか忍足とか成実を思い出しちゃうんだけど。」 確かに朝練行って、学校で過ごして、放課後練をこなして、家に帰って成実の練習に付き合っていたらテレビを見る暇すらない。しかしそこに同性の友達の名前を持ってくるとは良い度胸してる。 「…アハ、アハハハハハハ!マジでか!おまッそれは美人顔って言うより美形顔だから!まぁ、俺の名前を出したことは正しいじゃん?」 「…玖城って奴、成実みたいな顔になるけどいい?」 「まー、良いんじゃね?そう言う展開も。」 「そ、分かった。」 |
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