もしもこの声が届いたなら

「ロ、クオン……」
信じられないと思う。悲しいと思う。悔しいとも思う。
様々な感情が膨らんで破裂して、結局何も考えられなくなった。
彼らも、自分も、皆いつ死ぬか分からない。
そんな分かりきったことをどうして今まで気付かなかったのか。
違う。
目を逸らしていただけだ。
想像したくなくて、物事をただ良い方に考えていたのだ。
そしてその結果がこれだ。
こんなにも遣る瀬無い気持ちに襲われるなんて。
(いつ誰が死ぬか分からないんだよ)
(死んだらもう会えないんだよ)
そう思うと心のような部分がざわついて五月蝿くなった。
時間を止めて。世界を止めて。
幸せになりたいだなんて言わない。生きていられたらきっと自分の手で幸せになれるから。
「死なないで。誰も」
「アレルヤも、刹那もティエリアも、みんなも……ハレルヤも」
どうか誰か、この願いを叶えて下さい。


(私は神に助けてと言うよ。)





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