もう隠し通せないと気付いた ハレルヤはいつ消えても構わないと思っていたし、むしろアレルヤの為になるのならば自分は消えるべきだとも思っていた。 所詮ハレルヤはアレルヤの為に生まれた、アレルヤが生みだしたもの。 「ハレルヤ」という一人の人間のイメージがアレルヤの肉体を借りているに過ぎない。 だから自分自身が消える覚悟なんて疾うに出来ている筈だった。 恐怖も未練もない、そのつもりだったのに。 どうしてあんな問い掛けをしてしまったのだろう。 消えてしまうのが怖いだなんて、忘れられるのが嫌だなんて、いつのまにこんなにも臆病になってしまったのだろうか。 「出会わなきゃ良かったのにな」 出会わなければ良かった。今はそう思う。 彼女に出会わなければ、アレルヤのことだけを考えアレルヤの為だけに消えることが出来たのに。 「わりぃな、アレルヤ」 奥深くで眠っている半身に語りかける。届かないことを知りながら。 「消えるのが嫌だなんて、一回でも思っちまったよ」 (消えたくない、その理由を) |