月曜日

「あれ、先輩」

今日はラッキーだ。昨日が練習試合だったから部活はなし、近くのコンビニに行ったら先輩に会えるなんて。
部活はどうしたの、とお決まりの問い掛けに練習試合だったのと返して彼女が持っているものに気付く。コンビニスイーツが話題となっているのは知っていたが、あまり自分が食べたいとは思っていなかったので手に取ることはなかったそれ。

「今日くらいはいいかなぁって、ちょっと贅沢してみた」

少し高級そうなロールケーキ。俺の視線に気付いた先輩は恥ずかしそうに笑った。どちらかというと俺は先輩にはもっと肉を付けてほしいと思っているから全然大歓迎だ。
苺のそれを手にした先輩は商品棚を見て少し未練がましそうな様子。あぁ、分かった。

「苺好きなの? チョコは?」
「んー……悩んでるんだけどなー」

予想通りだ。それだったらこうすればいい。

「先輩、これから時間あるなら俺こっち買うから半分こすればいいと思う」

戸惑っていながらも嬉しそうな顔。自分も口元が緩みそうになるのを意識して堪える。遠慮しているようだからあと一押し。
何しに来たのか、なんて新作お菓子とジャンプの立ち読みだけど、そんなものはどうでもいい。

「たまには俺も先輩と話したいし、いいじゃん」

なんだったら俺が買ってあげようか? そう言って俺が手を伸ばしかけたら、慌ててチョコの方も手にしてレジの方へ行ってしまった。お金払ってね、と言うことは忘れずに。
うん、成功。

「中西くん、ちゃんと付き合ってよ」

精算を終えた先輩に言われた言葉に他の意味を求めてしまって、ちょっとだけ虚しい気持ちになる。それでもこれからの時間、先輩を独り占め出来ることを考えると嬉しくない訳がない。勿論だよーと笑ってコンビニの袋を奪って外に出た。

「あっちの公園行こう」




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