灰羽リエーフの我慢

(灰羽リエーフ視点)

俺の指をきゅっと締め付けて苗字さんは快楽に喘いでいる。いい、きもちいい、という言葉ばかり口から溢れて呂律も少し怪しいくらい。
「いい、リエーフ……っ、きもちい、イく……!」
「ッス。イっていいんですよ」
「あ、あぁっ! いいっ、やだぁ、イっ……ひゃあ、あっ、あぁ……!」
彼女は5回目くらいの絶頂を迎え、息を整えている。薄い腹が上下していて、何故か興奮した。
ぐっちょりとふやけた指を抜いたところで、リエーフ、と呼ばれる。
「ちょ、なに……っ」
俺の手を取ってどうするかと思えば、苗字さんは自分の顔を近付けて口の中に入れてしまう。生暖かい舌が指に這わされる感覚にゾクゾクした。
「ごめ、汚した……ん、ふぅ」
指の付け根から爪の間まで唾液を塗り付けるように、それから音を立てて舐めとるように、ゆっくりと。まるでフェラをしているかのような動きに煽られてしまう。悪戯に口の中で指を動かしてみると、苗字さんはそれだけで気持ち良さそうに目を細めた。
「苗字さん、もういいから……」
もういいだろうと指を引き抜くと、名残惜しげに先っぽを可愛く音を立てて吸われた。
「もっかい、しますか?」
発情期も終わりがけらしいが、求められているのは確実で、念のためだが聞いておく。いつもだったらこんな問いかけには頷かない彼女も、今だけは蕩けた顔に笑みを浮かべて口を開いた。
「したい……リエーフの、ほしいから、ねぇ、……ください」
指なんかじゃないものを、彼女は求めている。負担を掛けたくないから今日は挿れなくていいかなと思っていたけれど、無理そうだ。
このまま放っておくと服も脱がされかねないと思い、さっさと脱いで完全に勃ちあがっている自分のモノを取り出す。
「どうなっても知りませんからね……?」
脅しのつもりで耳元で低く囁いたのに苗字さんはぎゅっと目を瞑って甘い声をあげた。何感じてるんですか、と呆れると可笑しそうに笑われた。
「やだ……リエーフの声がずるい」
「もー……」
こういうときだけオンナノヒトになる、この人こそズルいと思う。ホントにどうなっても知らないから、と言い訳のように脳内で繰り返す。
結局、求められることに悪い気はしないからいいんだけど。




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