short | ナノ
「おい、もう授業終わったぞ」
「ん…はよ、」
「ったくお前は…ほら帰るぞ」
綺麗な夕焼けに照らされて、オレンジ色に染まった屋上。
眠そうに、起こして、と手を伸ばしてくる幼馴染みを苦笑しながら引き起こす。
チャリ、と綺麗な音を鳴らすピアスに横を通り抜ける金髪、ふわりと香るコロンの香りに首筋に噛み付きたい衝動に駆られるが、まだ早い、となんとか抑え込んだ。瞳に映っているだろう情欲を誤魔化すために、優等生の象徴とでも言える眼鏡をくいと持ち上げる。
「一応ノートとっておいた」
「あーサンキュ、テスト前に借りるわー」
ぷか、とひとつ大きく欠伸をしてニヤリと笑う。こいつが一度目を通しただけで内容を覚えられるくらいには頭がいいのは誰よりも俺が知っている。そしてこいつがノートを借りられるような友人など、俺しかいないことも。
だからこそ、わざわざ授業にはでない。
だからこそ、俺だけが付け入る隙がある。
「じゃあその前払い、今日もらうからな」
そう言ってがばりと肩を組めば、ぎくりと強張る顔。
なにか文句でもあるのか、とレンズ越しに目を細めれば、ちっと大きな舌打ちと共に思いきり振り払われた。おや、と思いつつさっさと扉の方へ向かう背中を追いかける。返答など一つしかない。わかっているから、口元がニヤけるのは無理ないことだ。
「わーってる、払えばいいんだろ!払えば!」
決して拒否などするわけがない。
返ってきた了承の言葉に、自分でそう仕込んだくせにスキップしそうになったのは、俺だけの秘密にしておこう。
【一匹狼調教計画進行中…】
「ん、んっふ…は、ぁ…」
「違うだろ、ほらもっと腰ふれよ」
「あ、あ、あ、や、いやだ…!」
促せば、俺の声に反応して従順に淫らな動きを開始する引き締まった腰。綺麗に六つに割れた腹筋をなぞってやれば、俺の腹に付いている手がぎゅっと握られる。俺は全く動いていない。それなのに勝手に動く自分の腰に翻弄されて、いやいやと首を振るも、動きが止まることはない。
自分で嫌がってるのに止められないなんて淫らすぎて可愛すぎて、下半身がずんと重くなるのがわかった。
「や、あ!あ、でかくすんな…!」
「なんで?さっきから思ってたけど、なんでヤなのさ」
「ひ!あ、まて、やだ!あ、あああ!」
ずん、と腰の動きに合わせて突き上げてやる。途端に感じ入ったように顎が伸びた。
「あ、ひ、ちょ、むり!あああっ」
「ほら、なんでだよ、言ってみろ」
「って、きもちっ、すぎて!かしくなる…!」
ぼろぼろと零れだす涙。
よく言えました、とにこりと笑うと、きゅっと眉を寄せて覆い被さってくる金髪。重なった唇に、アドリブまでできるようになった可愛い子へのご褒美に舌を絡め返す。望み通りに口内を犯してやりながら、乳首のピアスを思いきり引っ張ってやった。
「―――っ!!」
びくんびくんとのたうつしなやかな体。あげたはずの悲鳴は俺の口内へと消えてゆく。
つい一瞬前まではうっとりとキスに夢中になって閉じていた目蓋は目一杯見開かれ、焦点が合わずに涙が零れ落ちる。
「あ、ひっ、ひっ、」
「上手にできたご褒美、な」
「ふ、ひっ、いやぁ…」
尚も片手でピアスを弄びながら下へと手を伸ばす。
あれだけ体がのたうっても何かに濡れた感触はしていない。そろりと亀頭から裏筋をなぞり、陰嚢へと指を移動させようとしたところで何かにぶつかった。びくびくと震えながら、それでも歯を食い縛って耐える顔を堪能しながらくすりと笑う。
「偉いな、出さなかったのか?」
「お、れが、だすわけねぇだろ…!」
「あぁ、だけど中ではイッちゃったな」
「や、いうな…!」
しっかりと根本を握っている手をそろそろと撫で回す。それだけで感じているのに満足して突き上げを再開すると、くしゃっと泣きそうな顔をするのが堪らない。
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