ここ、どこだ?
頭痛がひどい。
昨日、宴で飲み過ぎちゃったかな。
私の部屋じゃないことは明らかだ。
「覚えのある匂いだ」
体が怠くて、力が全く入らない。
ベッドに仰向け状態で、布団の匂いを嗅ぐ。
あー、いい匂い・・・な気がする。
あれだ。
エースの匂いだ、これ。
「・・・なんでだよ!」
あ、思わず力が入って起き上がれた。
私、裸だ。
・・・裸?
下着とか、なにもつけてない。
え、なにそれ。
酔って(たぶん)エースと、うふんあはんなことしちゃったの!?
頭、くらくらする。
綺麗に布団かけられてたってことは、まぁ、エースがやってくれたのかな?
良い男だ。
とか言ってる場合じゃないだろ!
再度ベッドの上に倒れて、頭まで布団をかぶった。
やば、エースの匂い・・・。
何を隠そう、長年エースに片思いしてきた私。
このようなことを妄想、いや、想像したこともある。
が、想像は想像。
深く詳しいところまでは考えたことはなかった。
・・・マジでヤッちゃったのかなぁ。
「なまえ?」
っ!?
び、びっくりした。
前触れなく呼ばないでよ。
出れない。
どうしよう。
でも、息苦しい。
布団かぶると空気悪すぎる。
「おい、狸寝入り女」
「・・・ちょっ!」
軽い重みと、真上からの声。
そのすぐあとに、布団をひっぱられた。
「よく眠れたか?」
いつもと変わらない、無邪気な笑顔。
なんだそれ。
でも、私に馬乗りしてるエースは上半身裸で下は下着のみ。
あ、上半身裸はいつものことか。
「ねぇ」
「ん?」
「昨日、なにが」
あったんだっけ?
って言い終わる前に、唇が塞がれた。
わたし、エースとキスしてる。
「どうせすぐ思い出すだろ」
いつもそうなんだから。
と、また唇が重なる。
確かに、そうだ。
酒を飲めば記憶が飛ぶのはいつものこと。
時間が経てば思い出すのも、いつものこと。
でも、エースとキスをするのは、いつものことじゃない。
昨日のことなんて、考えてられない!
「なまえ、昨日の続き、させろよ」
「え、っあ」
頭の中は、今のあなたでいっぱい
2010/02/05
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