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「ねえ、なにそれ。面白いの?」



そういってわたしは彼の手元にある携帯を覗き込んだ。それを見て彼は表情を一切崩さず「あぁ」と一言。


......つまんない。


ここは銀魂高校にある元部室、高杉派のたまり場。わたしはよくここに来てまた子と遊んだり万歳におすすめの音楽聴いたりしている。


あとのふたりには近づくな変態だから、と固く言われているので近づかない。ひとりはロリコンでひとりはコロッケパン中毒者だそうだ。


そんなわたしはみんながジュースやお菓子の買い出しやら行っている間、晋助とふたりきりになる。


ずっと携帯をつついている晋助に構ってもらえず暇なのだ。冒頭みたいに話しかけても相手にしてもらえない。



「ねえ、暇。」

「スクワットしとけ。」

「嫌だよ。てかなんでスクワット。」

「痩せんじゃねーの。お腹とか。」

「ちょ、今一番気にしてることサラって言ったなこいつ。」

「最近よく触って気にしているからな。」

「変態晋助。」

「童顔凛華。」



この会話も僅か数分で終わる。お互い口瞑り再び晋助は片手にある携帯をつつき始める。本当につまんない。



「なんか、面白い事言ってよ。」

「面白い事。」

「てめー、いちいち腹立つな。」

「お前口悪くなってんぞ。」

「あんたがそうさせてんでしょ、馬鹿晋助。」

「俺のせいにするんじゃねーよ、馬鹿凛華。」

「馬鹿っていった方が馬鹿なの、馬鹿晋助。」

「先に行ったの馬鹿凛華じゃねーか。」

「あんだとコノヤロー。」



だめだ、これ以上こいつと話していたら口が悪くなる。というか今まで我慢していた口の悪さが溢れ出てしまう。わたしは口を再び瞑る。


晋助お気に入りのソファの上で体操座りをして足を動かして暇を持て余していると、晋助は突然携帯を置きわたしの方を向いた。



「あるぜ、暇つぶしになるやつ。」

「え、なになに?」



暇つぶしになるならなんでもいい、わたしは目を輝かせ晋助の方をジッと見た。



ちゅっ

「んむっ!!?」



突然ドアップになる眼帯男、そして唇が異様に熱を持つ。わたしは訳がわからずとりあえず逃げなければという本能行動で体を離そうとする。


だが、晋助がそれを許さなかった。後頭部を持ちぐいっと更に唇を押し付け合う。角度を何回も変えてお互いを求め合う。もう無理だと胸を叩いても知らんぷり。この行為の繰り返し。


その時頭の中がチカチカと光る。目の前は霞み小さな玉が発生しては弾けての繰り返しの光景が見える。


わたしはその繰り返しの光景といつの間にか入ってきた舌にただただ犯されていた。



「〜〜〜っ。」

「...ん、悪くねェ味。」



やっと開放された、酸素を求めて肺を膨らませたりするわたしに対し彼は余裕の笑みでぺろりと唇を舐めた。



「な、何が暇つぶしよ!この発情男!」

「別にいいんじゃねーか。そういう関係だし。」

「そういう問題じゃないでしょ!危うく酸素不足で倒れるわ!」

「お前息継ぎ下手くそだよな。」

「うるさいわ!危うく倒れそうになるし目の前はチカチカす、る...」



立ち上がって文句を言おうと勢い良く立ち上がった時だった。うまく立てずぐらり、と肘から崩れ落ちてしまう。


しかし晋助のおかげでなんとか床にぶっ倒れることはなかったがかわりにソファで寝かされた。



「ク、クラクラする...。」

「そんなに俺とのキスはよかったか?ククッ。」

「酸素不足のせいだっつーの、調子のんな。」

「なんならもっと酸素不足にしてやろーか。」

「え、ちょ、まじか。いやいや、ちょ、待とうよ晋助。...んむ。」



再び当てられた唇に割って入ってきた舌。またあの繰り返しチカチカする光景を見ることになりそうだ。


あぁ、もうどうにでもなれ、畜生。


わたしは静かに目を瞑った。







スパーク、眩暈



「ちょ、晋助。あんたどこまでする気だ。」

「...ナニだろ。」

「涼しい顔で何言ってんだ、発情男。」

「逃がさねーよ、貧血女。」

「ちょ、ちょちょちょ、高杉くーん!!?」




title : Largo様より


 
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