世間で騒いでいる今日11月11日。 みんなぽっきーの日だ、ぷりっつの日だと騒いでいてあちこちでそのお菓子が売れているのを目撃する今日。 私は今、窮地に立っていた。 「だーかーらー!!なんでそれをしなくちゃいけないの!?」 歌舞伎町の一角にあるここ、万事屋では朝にもかかわらず戦闘が繰り広げられていた。 私はここの居候の姫路野凛華。万事屋では主に新八と同じ家事担当をしている。いわばお手伝いさんみたいな感じのポジションかな? そんな私はここの店主、坂田銀時と付き合っている。 去年の冬、お互い思いが通じ合って付き合うことにした。周りはラブラブというが私たちは自覚していない(らしい)。 銀ちゃんは普段はダラダラ野郎。本当にこいつが好きなのだろうか、と疑う程だ。 けど、私は知っている。銀ちゃんは人が本気で助けを求めている時は必ず助けてくれる、いざというときは必ずやるやつだと。 きっと私はそのギャップってやつにやられた気がする。 ま、それは置いといて。今の現状を説明しよう。 「別にいいじゃん、俺らカレカノなんだし。」 「だだだだからって急にポッキーゲームしようだなんて......。」 そう、銀ちゃんは急にポッキーゲームをしようと言ってきたのだ。 だって、ポッキーゲームって、あの、定番の...。 「は、恥ずかしいじゃん。」 「ちゅーに慣れるのもいいことだぞ?」 「それはただ単に銀ちゃんがちゅーしたいからであってっ!」 「それも一理あるけど?」 「!!?///」 ああ、もう。どうしてこういう時に新八とか神楽はいないの!?ふたりっきりだったらいちゃつき放題じゃん!(いや、嬉しいけど...。) 断る手段がなくなる私。そんな私を銀ちゃんはじっと餌を待つ犬みたいに待つ。しかし、我慢というものを教えてもらっていなかったらしい。 「凛華。」 「ん?.....うぐっ!?」 銀ちゃんは手に持っていたポッキーを私の口に無理やり入れる。 「ひ、ひんひゃ、」 「しっかり加えてろ。」 そう言って銀ちゃんは私が加えているポッキーの先を口に含む。 私は恥ずかしさと緊張でフルフルと震え、支えを落としそうになるが銀ちゃんがそれを阻止するようにゆっくり食べていく。 ポキ、ポキ、と音がなると共に私と銀ちゃんの距離は徐々に近づいていく。 もう少し、もう少し。 そして銀ちゃんが私のところまで辿り着いた。その瞬間、 「!」 銀ちゃんは噛み付くようにキスをした。まるで獣みたいだった。 私は既に体力が限界だったので崩れ落ちないように銀ちゃんの着物の裾を掴む。 必死に必死に、銀ちゃんを受け入れ、求めて。 「、はあ。」 ふたりの口が離れてしまった。 「どう?たまにはいいだろ?こんなゲームも。」 そう余裕な笑みを浮かべて笑う銀ちゃん。なんて野郎だ。 私は口の中にある甘い甘いお菓子を味わって食べてみた。 「......馬鹿。」 いつもよりも甘さが増していた。 たまにはこんなのも 「これ楽しいなオイ。」 「も、もう馬鹿馬鹿!恥ずかしかった!すごく恥ずかしかった!」 「....なあ、凛華。もういっか」 「もうしません!」 「......。」 |