何だ、これ

「ちょっとゾロ みかんの収穫手伝いなさいよ!!」

「あぁ? めんどくせぇ」

何だ、この感じ

「つべこべ言わずに!! ほら、さっさと立って!!」

「いってぇな!! 耳を引っ張るな!!」

別に、この気持ちを知らないわけじゃない

「ほら、私は下の方採るから、あんた上やって」

でも、よりによって・・・

「お願いね♪」

この女に?


みかんの葉が風に揺られて音を立てる

それもそれぞれ高さが違って、何だか合唱団の中に放り込まれた気分だ

と、ゾロは率直な感想を心の中で語りながら、みかんを採る

自分の足元には、屈みこんで同じようにみかんを採るナミの姿

ったく、とんだ不運だ せっかくの昼寝の時間が無くなった

でも、嫌々ながらも手伝ってしまうのは、

こいつが怖いから・・・という理由ではなさそうだ

自分だって、別にこの感情がどういうものなのか分からない訳ではない

自覚済みだが、どこを見て抱いた感情なのか、いまいち理解できていない

「ゾロ〜 ここ奥まで手届かないから採って〜」

ナミがこちらを見上げながら、葉の茂みを指差す

ゾロは黙って屈みこむと、ナミの指差す場所へ手を入れた

これのことか

ゾロは手に葉とは違う感触を感じると、茂みの隙間から覗き込む

見つけた

光るオレンジ色を掴んで、茂みから手を引き抜いた

手には、かなり大物のみかん

「おらよ」

ゾロがみかんをナミに向かって差し出すと、ナミの白い右手が伸びてきて、

差し出したゾロの手ごと、みかんを掴んだ

そして

「ありがと」

子供のような無邪気な笑顔を見せる

あ、これか

ゾロはふと気がついた

これが理由か

気付けばナミに握られていないほうのゾロの手は、ナミの頬に伸びていた

触れてみる 

ナミは表情を変えず、こちらを見つめていた

「見つけた」

「私も」

主語を言っていないにも関わらず、同意を口にするナミ

「私、あんたのこういう優しいところが好き」

ゾロの口元が緩む 

「俺も、お前の笑ったところが好きだ」

答え合わせを終えた2人は、自然と顔を寄せ合った



見つけた。

(答えは1つじゃない)
(まだまだこれから増えていきそうだ)




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13500番キリリク ペンタン様に捧げます
唐突に両想いになってしまったww

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